
どこにでも居る小さい男の子だ。
この子は俺をダディ(お父さん)と呼ぶんだ。
実はこの子には戸籍がない。
つまり戸籍がないということは
どこの国の人でもないということなんだ。
赤ちゃんのときに孤児院の前に置き去りにされていて
正確に何歳なのかいつ生まれたのか分からないのだ。
戸籍がなければその国での権利もない。

ここフィリピンではこんな子供が少なくない。
いや、世界的にみて非常に多いんだ。
タイでもインドネシアでもマレーシアでも
インドでもカンボジアでも、
そして中国でも路上生活者が居るんだ。
路上で生まれ路上で死んでいく。
彼らに必要なのは何か。
教育以外なにものでない。
教育を受けるコトが出来ないから
新たにまた路上生活者が生まれてくる。
インドネシアの平均年齢をご存知だろうか？
赤ちゃんからお年寄り迄の平均だ。
世界四位の人口であるこの国の平均年齢は何と25歳なのだ。
でもこれは戸籍がない人たちが入っていない。
おそらくもっと平均年齢が低いと想定される。
戸籍がない。
何の権利もない子供たち。
教育を受けさせようとしても
親が労働力として使われる子供たち
つまり、一番最初に改善するべきポイントは
親が子供を働かせなくてもいいだけ
稼げるようになるという事だ。
子供を捨てなくていいように
するには教育を受けさせることだ。
性教育も道徳も教えられないから知らない。
人のものを盗んでも何とも思わない。
貧困は罪だろうか？
罪かもしれない。
貧困は教育を受けることができなくなり
更に路上生活者が増えるからだ。
地球を一人の人だとすると、人類が
細胞に例えられるかもしれない70億個の。
いい細胞はどんどん細胞分裂していき
年寄りの細胞はなくなって行く。
血行がいいところの細胞が計画的に
増えていくのは非常に意義があるかもしれない。
しかし、結構不良の部位にやたら細胞分裂が
起こるとカラダは異常事態にならないだろうか。
この場合、ある意味計画的に増やすことを
学ばせる血管が必要になりその手助けは
うまく行っている部位が担うべきではなかろうか。
地球を一人の人にたとえるのは
適切な表現ではないかもしれない。
しかし俺個人はそう考えている。
細胞同士に上も下もない。
しかしお金を稼げる、あるいは持っている
という物差しからすると上下は発生する。

お金を稼ぐのはいいことだ。
だってそれは巡り回って戸籍のない
子供達を助けることが出来るから。
余裕がない人が行うボランティアはどこか滑稽だ。
時間にもお金にも心にも余裕が
ある人が行うべきことなんだと思う。
そういう人は沢山の子供達を結果救えるからだ。
俺はそれを目指している。
勿論これは単なる自己満足だ。
使命感でも頼まれているわけでもない。
子供達を心から助けたいと思っているんだ。
その方法論は？
孤児院を作るには金がいる。
金がいるから稼がなければいけない。
稼ぐには俺の場合腰痛の研究を行う。
腰痛の研究を行うには学ばなければならない。
金を稼ぐというとなんだか後ろめたい
という考え方があったけど、そんなのは古い。
どんどん稼いで国にたくさん税金を収めることが
その国にとって、また巡り巡って自分のためにもなっていく。
そして、心ある人は是非孤児を一度見て欲しい。
どんな気持ちになるだろうか試して欲しい。
もしもいたたまれない気持ちになったとすれば、
それが今の俺の姿なんだ。
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