のを治して欲しいと言っているのですが」
セミナーも架橋に差し掛かった頃
通訳がこんな事を言ったんだ。
セミナーの仕上げにはもってこいだ。
「終わったら連れて来て！」
俺は二つ返事を出した。
常夏のタイからサワディーカップ
バンコク病院でのセミナーは無事に終了した。
完全にやりきった感がある。
いつもの様にセミナーが終わっても
燃え尽き症候群の様にならなかった。
彼等は東南アジア最大の病院スタッフ
という誇りがありながらも
俺の言う一つ一つの言葉にしっかり前のめりになって
聞いてくれたからやりやすかったんだ。
俺は講師であり、友人の様に話しかけ、
そして彼等の解剖学的知識が足りないときには
少々叱るような指導もした。
解剖学という共通言語がないと
セミナーに支障が出るからだ。
勿論奇形なども多く存在しているという報告もある為、
全ての人に同じ解剖学を適応するというのは
少し無理があるのも分かるが
それでも知っておいて欲しい解剖学は多々ある。
病院総院長もセミナーを覗きに来てコテンパンに
言われている部下を観て良い気はしなかったはずだ。
しかし、彼等を熱心に教育する
俺を観てヨシとしているのを感じた。
和気あいあいとセミナーは進行し必ずこのテクニックを使うと
約束してくれたし医師も指示書にあなたのテクニックを
使うときに何て書きましょうか？と聴いて来た。
「指示書に書くなら短い方がいいからKYTでどうですか？」
「KYTか、よしそうしよう。」
整形外科代表の医師がそう言った。
セミナー後は彼の腰痛を治し彼は俺を気に入ってくれた。
食事に招いてくれ、はち切れんばかりタイ料理をタラフクご馳走になった。
ほんとタイ料理って美味しいよねー
もう大好き！！
俺の武者修行は納得の形を作る事ができ、
そして帰国してもいいかなと想い始めている。
毎日日本のスタッフとやり取りしているが
彼等は元気にしているだろうか？
顔が観たくて仕方がない。
俺はそう思うと帰国の準備を始めたんだ。
◆その他いろんな症例ご覧になりたい方はこちらから。
◆YouTubeで動画ご覧になりたい方はこちらから。