昨日午後にフジテレビで放送された「ありがとう、お父さん~市川團十郎の娘より~」を録画していたものを視る。
娘=舞踊家の市川ぼたんさんが書かれた同名の本を元に、ご本人が録画されたVTRにナレーションを加え、團十郎さんの闘病の様子を克明に伝えるドキュメンタリーだ。
最初の白血病発症~復活までは、團十郎さんが書かれた「團十郎復活 六十兆の細胞に生かされて」を読んで知っていたのだが、映像で見るとその日々の過酷さと、それでも笑顔を絶やさず、周囲を気遣い、そして病に立ち向かう姿に改めて感服せざるを得ない。
そしてパリ公演での「口上」、その立派さ、気高さに胸を打たれた。
2012年10月、新橋演舞場で観た「勧進帳」の弁慶。私のような素人が観ても、体調が思わしくないんじゃないか?という感じだったが、その後入院され、翌年2月、新しい歌舞伎座開場を待たずに亡くなられた。
その間の闘病の日々は、ご本人だけでなく、ご家族もとても辛く大変なものだったろう。画面に映し出されるその姿を見るのは、ただ悲しく、切ない。
私の母も約30年前に癌で7年の闘病生活を経て亡くなった。当時中学生~大学生だった自分には、母自身とサポートした父の姿がどのくらい目に入っていたのか。もちろん育ててもらっていた身で無力だったにしても、自分から目を逸らしていたのではなかったか…。そんなことも思い起こされて、より哀しい気持ちが胸の底に沈み込んでいく。
それにしても、團十郎さん、勘三郎さんの闘病の様子、生きようとするその姿は、それが最終的に叶わなかったことを知っているだけに、余りに痛ましい。痛ましいが、その姿を見て勇気付けられる人は決して少なくないはずだ。
父・團十郎さん没後、父が大切にしていたものを受け継がなくてはという思いからか、石川県小松市で踊りを教え始めたぼたんさん。これから歳を重ね、芸を重ねていくにつれ、團十郎さんの生き方、というより生きた姿そのものを思い出し、ご自分の力にしていかれると思う。
今後、團十郎の名跡を継ぐ海老蔵さんも併せて、その活躍に期待したいと思う。