ニュースとかで有名人が癌から生還した話をよく聞きます。自分も癌になる前のイメージでは、最近の癌はある程度ステージが進行していても治るものだなーとなんとなく思っていました。ただし、特別にたちの悪い癌も世の中にはあって、昔に有名アナウンサーが病名公表したスキルス胃がんとか、現在でも死亡率がまあまあ高いものもあります。

じつは自分もスキルス胃がんが前立腺周囲に播種したのではないかと真剣に心配していて、前立腺がんの病理診断出たときにほっとしたのはこのせいでもあるのでした。

さて、前立腺癌は癌の中でも死なない癌の一つではあるのですが、悪いステージではそれなりに死亡率も上がります。前回のロシアンルーレットに例えると、「何回に一回が実弾なのか」なのです。患者の立場ではとてもとても気になるものです。治療する医師の立場で言うとしっかりと正しいステージ診断をして、それに則って適切な治療をすることが重要と考えます。患者としたら少しでも低いレベルを祈っているのですが、それに関係なく冷静にステージ診断に臨む医師とは仕方のない感覚の差があります。

ですが、やはり正確に診断して正しい治療方法を選択すべきでしょう。怖いことから目をそらしていても結果はもう出ていると覚悟を決めて診断してもらいました。

 

さて前立腺癌のステージ分類には”どこまで広がっているか”と”癌の細胞がどれだけ悪い(進行しやすい)か”です。

まず”広がり”は、多くの癌でTNM分類で診断されます。

T(Tumor 腫瘍)、N(Nodes リンパ節)、M(Metastasisi 転移)の略です

TNM分類

TNM分類

(Sanifi 前立腺がんWebから)

 

これで言うと私の場合はT3bN0M0

 

また、前立腺癌ではステージA~Dという分類で表されることもあります。

A:ほかの病気の手術で偶然に見つかったごく小さな癌

B:前立腺の中だけにあるもの

C:被膜を超えて進展しているもの

D:転移があるもの

私はステージCです。

 

次にどれだけ悪い細胞か(悪性度)はグリーソンスコアで診断されます。

これは生検で採取した癌細胞の悪性度を1~5段階で評価して一番悪性度が低いものと一番高いものを足した数字で表します。最低で2、最高で10です。

私は8でビビったのですが、I先生は「大体こんな数字です」と事もなげでした。

 

で、私の場合、多分ステージC、グリーソンスコア8で年越ししたわけです。1月下旬に骨シンチで最終診断に至りそこから治療開始になりました。その間に震度5弱、オリオンビールなど経験するのですが、膝が痛いときは膝の脛骨に転移したのではないか、胸が痛いときには肋骨に転移したのではないかと心配していました。

早くホルモン治療など開始してもらわないと自分の体の中が蝕まれていくようで落ち着かない日々でした。

 

次回は骨シンチと確定診断です。