癌などの不治の病など、その告知を受けた人の心理状態の過程としてはキュブラー・ロスの「死の受容過程5段階」が有名です。1否認「なんかの間違いでしょ」,2怒り「なんで僕が癌になるんだ、タバコも吸っていないのに」,3取り引き「排尿困難とか性不能でもいいので治りたい」,4抑うつ「もう車にひかれて即死した方がいい」,5受容「できる限り癌治療受けてみよう」

医者は面倒な人種で、自分で診断つけて、自分の経験で勝手に考えてしまいます。なので、この5段階全てが告知前に訪れてしまっていました。問題は不確実な自己診断なので少し希望を持ってしまって、その反動で癌のステージのこと考えると余計に絶望したり、その心の浮き沈みが”まな板の上の鯉”状態に落ち着かせず抑うつを助長してしまうことです。

さて、生検後の肛門の痛みは治りましたが、血尿が長く続き、これも出たり出なかったりとなってくると一喜一憂する必要ないのにしてしまって、血尿出たときには落ち込むという不要な精神的負担を自分で作っていました。

前回の泌尿器科初診の時から治療すれば当分は生存できるという希望を持たせてもらい、前向きに検査治療に臨もうという気持ちになりましたが、やはり確定診断とステージ診断次第で話は変わるのでドキドキと同時に時より襲われる抑うつは続いていました。

医療業界で転移のことをメタと言います。Metastasisの略ですが、全身に多発性に転移していることをメタメタとか言ったりします。そのメタメタの可能性を考えるとやはり恐怖感に苛まれます。

 

さて12月26日12時半から泌尿器科I先生受診

I先生開口一番「やはり癌でした。細胞の悪性度を示すグリーソンスコアは4+4=8点です。このMRI画像で白いところとその周囲の黒いところが癌で精嚢まで浸潤しています。周囲の直腸や膀胱には浸潤していません。胸腹部CTでは周囲リンパ節含めて肺や肝臓などにも転移はありません。見える範囲では骨転移もありません。ステージCですね。」

私「メタメタじゃないのでほっとしました。グリーソン8点って悪性度高いのですよね、大丈夫なのもでしょうか?」

I先生「大体8が平均ですね。あまりこの値は気にしないでください」

私「脳腫瘍の場合は悪性度が予後決定因子なので…」

I先生「そうらしいですね。友人の脳外の先生と話していて違いに驚いたものですよ」

私「治療すれば治るとのことですが、ステージCって5年生存率(昔は5年再発なかく生きていたら治癒したと考えられていたのでよく使われる指標)はどの程度なのですか?」

I先生「75%程度です」

私「え?!」  I先生「ええ!」

私「えー?! だって75%って4人に1人死んじゃうってことで、ロシアンルーレットやれって言われてることと同じですよ。とてもじゃないけど安心できないです!」

I先生「いやいや、超高齢の方も含めますし、他の疾患で死亡することも含めますので先生のようなお若くて元気な方が心配な数字じゃないですよ。安心してください」

私「なるほど」

I先生「最後に骨転移しやすい癌なので念のために骨シンチ検査受けてください。来年1月の18日に検査、25日再診して最終診断、それから治療開始です。通常ホルモン治療からです。」

私「1か月間なにも治療しなくて、その間にメタしたりは?」

I先生「そんなことはありませんので安心してください。しっかりとステージ診断することがとても大事です」

 

この診察、癌告知であるわけで病院所属の緩和ケア認定ナースが先生の後ろに立っておられました。先生に聞くと告知の際にはサポート体制として付く決まりとのこと。でも、この告知された癌の医者、キュブラー・ロスの受容過程5段階をすでに通過していて、逆に告知受けて安心しているので、途中から「脳腫瘍はそうですよねー」とかおっしゃられたりしていましたが、今回は不要と思われたのか終了前に退席されました。私としたら「僕の場合はもっと前だよ”心のケア”してほしいのは」です。

 

前立腺MRI 拡大して画像撮影していますが前立腺は直径3㎝程度ですので癌は2㎝、1円玉程度の大きさです

 

前立腺CT、リンパ節転移はない

 

腹部CT(造影)、転移は見当たらない

 

さて、この状態で年を越すことになったわけですが、実家で能登半島地震にあっても、沖縄に避寒に行っても、心の底はひょっとして骨メタがあるかも、と心の隅にありました。

 

次回は前立腺がんのステージについてです