今、TVで『未来からの訪問者』って番組をやってました。

途中から見たのですが、近未来技術の紹介番組でした。



印象に残ったのは

空気で走る車や羽のない扇風機です。
身近な技術なだけに「まぢで!?すげえええ」って思いましたし、技術発想がすばらしい!!

んー

他には、
NYまで1時間、マッハ10の飛行機。
NASAが作ったみたいで、名前が「ハイパーX」(すごい名前!!(笑))みたいです。
世界が10分の一の大きさに!?
世界通勤もありえるのかぁー。
朝、飛行機の中にサラリーマンや学生がぎゅうぎゅうなんてことがあるのかなぁー


あと、宇宙科学もすごいねぇ。
2~3時間の宇宙旅行も来年出来るとか驚きですね。

宇宙スパとかも2015年かぁ・・・


ゲスト中尾さんの「宇宙まで近い!」って言葉が印象的でしたね。




科学技術っていうのは未来に実現すると便利であるのと同時に現在にも希望を与えるすばらしいものですね。


素粒子論は現在は科学者の好奇心によるもので、科学技術とは関係なさそうですが、僕は未来の技術に貢献する日が来ると思います。

(量子力学がコンピュータに利用できたり、物性がここまで量子力学に立脚するなんて20世紀の人は考えませんでしたよね。しかし、現在は量子力学はただの好奇心を満たすための学問ではなく技術者にも必要になってますよね。)

素粒子論が将来どんな技術に利用されるのかはすこし楽しみです。
きっと現在では予想もできないような技術でしょうね。







Peskinの15章は非可換ゲージの章です。


15.1節のゲージ不変の基本を学びましたが、分かり易過ぎ!!
マジで!!


今まで見たどんな説明よりも簡潔で納得できます。

今から何をしようとしているか明確ですし、すごいなぁ~

実はこのあたりからがPeskinの教科書の真骨頂なのかも。
(もちろん、今までも十分わかり易かったのですが、この節の説明ははなぜか感動しました(笑))

最近チェスばっかしてさぼりぎみでしたが、今日からちょっと気合入れて物理をしたいと思います。


では!

ノシ



今日は世界に名を馳せた日本を代表する作曲家、武満徹の命日です。

ということで、彼の出世作であり代表作の『弦楽のためのレクイエム』をどうぞ↓




僕はこの曲はもちろんすばらしいと思いますが、この曲にに対する彼自身のコメントも非常に興味深いと思います。

「はじまりもおわりもさだかではない。人間とこの世界をつらぬいている音の河の流れの或る部分を。偶然にとりだしたもの」


これと同じようなことを彼は音楽全般についても語っています。

彼の中では作曲は構成するものではなく取り出すもの。
無限の音楽の流れの中から人間が享受できるものを選び出すことだと考えているようです。

初めてこの話を聞いたとき衝撃を受けたのを覚えています。
作曲=構成だと思っていたのでまさか作曲がすでにあるものを取り出すこととは考えもしませんでした。

しかし、同時にこれは数学にも当てはまると思いました。

「発明」と「発見」です。

何らかの定理を導いた際に多くの人は「定理を発見した」というのでは?
「定理を発明した」とはあまり言わないと思います。(たぶん・・・)

つまり、数学の定理などは前もって存在しているもので、人間はそれを発見したにすぎないということです。
数学を作ったのは人間なのに。

これはおそらく自然の中に多くの数学を見出せるからではないでしょうか?
一番いい例が物理ですね。
自然の運動が数学で書ける。
投げたボールの運動が放物線になるなど、地球が楕円を描いて太陽の周りを回っているなど・・・
他にも黄金比が貝の渦巻きやひまわりの種の付き方に表れるとか。

こう考えるとひょっとして武満さんは自然の中に音ではなく音楽を見出していたのでは?

だから、音楽は前もって存在している。しかも無限の大きな流れとして。
作曲家はその一部を拾い上げているに過ぎないと考えていた。



まさに、砂浜できれいな石を拾っているにすぎないと言ったニュートンのようですね。


福井謙一の『学問の創造』を読んでいて、なかなか教育的だと思った話がありました。
(まあ、福井さんはフロンティア電子論で日本人で初めてノーベル化学賞を取った人ですよね。)


彼がフロンティア電子論の着想を得た時の話です。
今まで分子の結合には電子密度を用いていましたが、それでは説明できない現象があったので、彼は電子密度より多くの情報を持つものを使う必要があると考え量子力学の電子軌道という概念を用いたそうです。
(たぶん、電子密度は|ψ|^2のことで電子軌道とはψのことだと思います。)

僕は、

より詳しい情報を持つものの存在か・・・
今回の電子軌道の場合はすでに知られていたが、ひょっとしたら既存の理論にもまだ知られていないより詳しい情報を持つものが存在してるかも知れないな・・・

と思いながら読んでいましたが、次にこのように書いていました。

電子の滲み出し現象を電子軌道で再構成すると、そこで「フロンティア電子論」が入ってくる。

はっとせられました。
ただ単により詳しい情報に分割するだけではいけないのだと。
重要なのは分割さした要素をより適したモデルに再構成することなんだと思いました。


既存の理論を別の形で再構成することで何か新しい発見があるかもしれない。
まあ、還元主義的な現在物理では分割や下層部の要素に目が行きがちですが再構成も重要だということです。





昨日の東大であった一般講演会の感想です。

ミクロの世界(量子場)の住人-LHC


全体の流れとしては

①小柴昌俊さんの「あいさつ」
②小林富雄さんの「LHC実験が切り拓くテラスケールの世界」
③村山斉さんの「LHC実験から宇宙へ」

でした。


小柴さんのあいさつは短いものでしたが、いつもながら印象に残る力強い言葉でしたね。

私たちは国民の税金で夢を追わせてもらっている。
というのは以前にも聞いたことがありましたが

今回のLHCの実験は世界の税金で夢を追わせてもらっている。
だから甘いことをしてはならない。
しかしながら、日本人がμ粒子を捉える技術に貢献しているのは誇りに思う。
とのことでした。
そして、これで完成ではなくてすべてはこれからなんだと言ってました。

なかなか厳しい言葉のようにも聞こえましたが小柴さんがこの実験に期待しているのも感じ取れました。

あと、質問タイムで加速器も実用できるんでは?という質問がありました。
単なる物理学者の夢ではないということです。
なんでも加速器でニュートリノを発生させてウランに衝突させ核分裂を起こすとかなんとか・・・
よくわかりませんでしたが、どうやら現在の理論レベルや技術レベルでは難しいみたいです。

それとなぜ陽子ー陽子反応なのか?という質問がありました。
陽子は三つの素粒子(クォーク)から出来ているので複雑な反応になる。ならば電子などの簡単な粒子でやればよいのではないかということです。
これはどうやら円形加速器だかららしいです。
電子などは質量が軽く、回転の加速の際の自身の放射に影響をうけて高いエネルギー衝突は出来ないからです。
だから、電子ー陽電子反応を実現する線形加速器の建設も計画されているらしいです。

この線形加速器の話は初めて聞きました。
LHC実験すらもまだ最初の段階なんだなという印象を受けました。





小林さんの話はLHCの概要の説明でした。
世界一のエネルギー、テラスケールという言葉を強調していました。
これはTeV(テラ電子ボルト)のことで標準模型が~200GeVであることを考えると、未知の領域のエネルギーだということです。

そして、標準模型の説明とともにこれが究極の理論でないことも言ってました。
標準模型における未解決問題には次のものがあるとのことでした。
・粒子が質量を持つ理由
・粒子の分類は人間の恣意
・ニュートリノの質量がほかの粒子とかけ離れている理由
・大統一理論は正誤
・重力の他の力の統一


一番上の粒子の質量獲得の仕組みはヒッグス粒子との作用というのが現代物理のもっとも信憑性の高い理論でこれはもし理論が正しいなら絶対に見つかると言ってました。

なんでも、ヒッグス粒子の質量は理論的に大体どの程度なのかわかっていてLHC実験ではそのエネルギーでの実験は可能なので見つかるようです。

それにしても絶対ってすごいですね。
もっと観測の可能性は低いのかと思ってました。

その後はLHCの実験で日本人の多くが貢献したアトラス計画の話でした。
これは最初に小柴さんが話していたμ粒子の観測とも関係があって、とりあえず発生した粒子はもらさず観測しよう。それが新粒子の発見にもつながるとのことでした。

それと、このアトラスの実験装置映画『天使と悪魔』にも登場したと言ってました。
小説は読みましたが映画は観たことなかったので今度観てみます。


最後の質問タイムに
テラスケール、TeVがいまいち実感できないので何かよい例は無いかという質問がありました。

これに、小林さんは乾電池一兆個つなげれば大体LHC実験と同じことが出来ると答えてました。

おお!!
わかりやすい!

やはり一流の物理学者はこういう例えがうまいですよね。
見習いたいです。



村山さん、話上手すぎ!!
ユーモラスでカリスマ性が光ってましたね(笑)

加速器はタイムマシーンであり、顕微鏡であり、望遠鏡である
という言葉には心打たれました。


村山さんは理論的な話で、
余剰次元
超対称性
宇宙の相転移
ヒッグス機構
のそれぞれの話をしてくださり、これらがもし正しい理論ならテラスケール実験で証拠が見つかるというものでした。
なので今回のLHC実験は非常に重要な実験だということです。

それぞれの話はなんとなく聞いたことありましたが、全てがテラスケールにつながるというのは面白いですよね。
それにしても、あの銀河団の衝突によって生じるダークマターの波紋は個人的には強く印象に残りました。
宇宙論の勉強はまだ全然やってませんが、俄然興味がわいてきました。


全体を通してLHC実験の重要性を今回はっきり認識できました。
雨降りで寒かったですが講演に参加して良かったです。

本当にこれからが楽しみですね。