*『土と生命の46億年史』は、よく売れているようです。さて、今回は備忘録の3回目。
第1章の中からこの知識は、記憶しておきたいと思うところを抜粋していきます。
【抜粋開始】
パソコンと土を作るケイ素
水以外で私たちの身体を構成する主成分が炭素なら、地球表層を構成するのがガラスの主成分であるケイ素(シリコン)だ。太陽系の元素存在割合では8番目にすぎないケイ素が、水素、ヘリウムに次いで多い酸素と結合して地球の土の骨組みを作っている。
岩石に含まれる造岩鉱物と土に含まれる粘土の違いも、ダイヤモンドと活性炭のように、結晶の純度と配列で説明できる。石英(水晶も含む)のような造岩鉱物は純度や配列の規則性が高く、硬い。粘土のようにはネバネバせず、変質もしにくい。その性質ゆえに、特に純度の高い石英はパソコンやスマートフォンを駆動する半導体(集積回路)の原材料として活躍している。
純度の高い石英を必要とする半導体が、“産業のコメ”として重宝される一方で、土にはケイ素だけでなく多くの不純物が含まれる。炭素でいえば、ダイヤモンドよりも活性炭に近い。ダイヤモンドや石英の結晶ではネバネバした肥沃な土は生み出せない。不純物こそ栄養分となり、不純物を含んだ土こそが生命のゆりかごとなる。
【抜粋終了】
*半導体に使うケイ素はイレブンナイン、つまり99.999999999%の純度を満たす必要がある。
*半導体の主原材料となる石英は、中国産の石英砂が適しています。なぜ中国産の石英砂が適しているのか?また中国産以外では、どこで取れる石英が適しているのだろうか?
そこでChatGPTの知恵を借りた。
ChatGPTの回答:
半導体の基板(シリコンウェハ)をつくるための「石英(SiO₂)」、とくに超高純度の石英砂(High Purity Quartz, HPQ)は、じつはごく限られた産地からしか得られません。
1. なぜ石英砂が必要か
半導体用のシリコンインゴットを製造するときは、1,400℃以上で溶融石英の坩堝(るつぼ)を使います。この坩堝が不純物を出してしまうとウェハの純度が落ちるため、鉄・チタン・アルミ・アルカリ金属などの不純物をほとんど含まない石英が必須です。
2. 中国産石英砂が重視される理由
中国、とくに江西省や湖北省などの鉱床から産出する石英砂は、以下の点で半導体用途に適していると言われています。
自然純度が高い:地質学的条件により鉄・アルミ・チタンなどの含有が非常に少ない。
埋蔵量が豊富:世界的に見ても大規模な高純度石英鉱床がある。
粒度や結晶性が安定:溶融石英に加工したときに気泡や欠陥が少なく、坩堝としての性能が安定。
コスト競争力:大規模採掘と加工体制が整っており、供給力が強い。
つまり、「高純度・大量・安定供給」が揃っている点で中国産が有利です。
3. 中国以外の適地
実は「半導体レベルの高純度石英」がとれる場所は世界でもごくわずかです。主なものは次の通りです。
アメリカ(ノースカロライナ州、スプルースパイン地域)
→ 世界最高レベルの高純度石英鉱床。HPQのトップメーカー Unimin(現 Sibelco Group) が採掘。
ブラジル
→ 高純度の石英鉱床があり、一部は半導体グレードに加工される。
ノルウェー
→ 高純度石英の鉱床あり。欧州での供給源。
オーストラリア
→ 一部で半導体グレードの石英を採掘。
*再び本書に戻り、ポイントを抜粋します。
【抜粋再開】
これまでに登場したケイ素と炭素だけでは、土や生命は作れない。筋肉を作る窒素、骨を作るカルシウムやリンなどの材料はどのように集まったのだろうか。再び、小惑星どうしが衝突した地球誕生時に戻ろう。小惑星を構成した無数の微粒子は、文字通り献身的に一つの地球を作り上げた。ところが、地球が冷めていくにつれて、構成成分に序列(階層構造)が生じる。重いものほど地球の中心に集まり、軽いものほど外側へと追いやられた。
地球全体の比重は5.5だが、鉄の比重は7.8、ニッケル(銅とともに100円玉の材料)の比重は8.5。重い金属である鉄とニッケルは地球の中心部(コア)に集中する。軽金属のアルミニウム(一円玉の材料)やケイ素からなる比重2.5~2.7にすぎない岩石や軽い気体は、表層(地殻)に浮き上がる。最も軽いガス成分の水素、ヘリウム、ネオンなどの元素の多くは宇宙空間へと帰っていった。最終的に大気中や地球表層に残留してくれたのは、中間的な重さをもつ窒素、二酸化炭素、水蒸気(水)だ。いずれもアミノ酸の材料であり、私たちの身体の主要成分でもある。この後、地球がいのちの惑星になるために重要な役割を果たすことになる。
【抜粋終了】
★昔々のことであるが、高校の地学の授業でアイソスタシー(地殻の均衡)というのを教わったが、僕はこの「アイソスタシー」が理解できなかった記憶がある。
アイソスタシーとは「密度の大きいマントルに密度の小さい地殻が浮かんで、つり合いを保っているという考え方」のことである。
僕は、「浮かんでいる」、「沈んでいる」というと、イメージとして固体が水のような液体に「浮かぶ」、「沈む」という固定観念があったせいでしょうか、比重が1より大きな固体の金属の層どうしでも比重の差で浮き沈みがあるということが高1のときに理解できなかった思い出があるのです。
これがイメージとして理解できていれば、上で本書から引用した二文の
「重い金属である鉄とニッケルは地球の中心部(コア)に集中する。軽金属のアルミニウム(一円玉の材料)やケイ素からなる比重2.5~2.7にすぎない岩石や軽い気体は、表層(地殻)に浮き上がる」
の意味が高1のときによく理解できたはずですが、当時は理解できなかったのです。
当時、僕が通っていた高校では地学は必修科目でした。今は地学を学ばないで高校を卒業する高校生が多いのではないでしょうか。
参考:「地学」の履修率についてGPT-5に調べてもらいました
「地学基礎」を履修している生徒の割合は、 約 26%。ただしこれは「履修可能な学校での履修者率」か、「履修可能性を含めた全体からの率」かで解釈が異なります。
「地学」を選択して履修している生徒はごく少数で、1.0%前後あるいはそれ以下との推定があります。
以上がGPT-5による回答です。
*今回は、ここまでにします。
お読みいただきありがとうございました。
