EPISODE073の主な出演者: 八代将(谷口高史)、轟強(土平ドンペイ)、アシスタント(小塚舞子)、高山理恵(羽瀬川なぎ)、候補者(尾本祐奈、小田ゆりえ)。

 

ラジオでこの年3月に発売されたばかりのH2O「想い出がいっぱい」が流れている。ミス条映コンテストに出ると言うひなたにるいは「あほらし。夢みたいなこと言うてんと」。ひなた「本気や。これが今私がやるべきことや。何で分かってくれへんのやろ」。後で錠一郎は「僕の時は応援してくれてたやん」。るい「全然意味が違うわ」。

 

ひなたは「回転焼きもう1回焼かせて」。うまく焼けたらコンテストに出ることを認めてほしいと。るいも「やるんやったら本気で目指しなさい」と根負けした。コンテストは昭和58年8月7日だ。

 

ひなたの妄想。司会者「優勝はエントリーNo.7。大月ひなたさんです」。 ひなた「一流の女優になれるよう頑張ります」。そこへ一子が通りかかる。コンテストには着物審査があるやろからと、着物の着方から和室での所作の指導を受ける。

 

磯村もラジオで「楽しみですね」と宣伝していたコンテスト。ひなたは書類審査を通り、十数名残った本選へ。妄想とは違ってひなたはエントリーNo.10だった。ひなたはおどおどしながら「大月ひなた、18歳です…」。

 

EPISODE074: ひなた「大月ひなた、18歳です……。家は回転焼屋です。茜通り商店街の大月いう店です…」。言い淀んでるので司会者からなぜ応募したかとの問いが入り、「それはもちろん大好きやからです。時代劇も、映画村も」。その様子を伴虚無蔵がじっと見ている。

 

次に演技審査。茶屋の娘が悪者にさらわれそうになり、進之介が助け、なぜか求婚する。それに一言というお題で、「ありがとうございます」や「親に相談しないことには」という返しを他の候補者が話す。しかしひなたは進之介役が「引き算はできるんだ」と言った不愛想な男であることに困惑していた。

 

ひなたの番。進之介役に顔を見られないようにしていた。不愛想な男「拙者禄もわずか、主君の覚えもめでたからず。されどそなたは幸せにしたい。おすず、ついてきてくれるか」。ひなた「誰がお前なんかについていくか」。男の腰から剣を抜き、たあ、と袈裟懸けにする。男は倒れる。ひなた、我に返り、「進之介様ー」と駆け寄るも男は起きず。

 

コンテスト優勝、条映城のお姫様はエントリーNo.9の高山理恵。「ありがとうございます。夢みたいです」。高山理恵がインタビューを受けているさなか、ひなたは家路へ。そこへ不愛想な男とすれ違う。ひなた「すみません、変なお芝居に付き合わせてしもうて」。男「そのばか面、どっかで見たことあると思ったら回転焼屋の娘か。道理でばかだと思った」。

 

家で。実はるいは店で留守番で、錠一郎と桃太郎、一恵と小夜子は見に行っていた。錠一郎「落ち込むことないで。あんなに会場沸かせたんひなただけやねんから」。優勝者がきれいだったと一恵が言うと、桃太郎「小夜ちゃんが出ればよかったのに。会場で一番べっぴんさんやったもん」。ひなたはショックだった。コンテストで落ちたことがショックだったのではなく、あまりショックではないことがショックだった。つまり本気じゃなかったということ。

 

ラジオからあみん「待つわ」が流れている。伴虚無蔵が回転焼屋・大月を訪ね、回転焼1個を注文する。「拙者、伴虚無蔵と申す。ひなた殿はご在宅か」。そこへひなたが降りてくる。虚無蔵「明朝9時、条映太秦映画村の橋へ参れ」。ひなた「映画村は10時からでは?」虚無蔵「門番には話を通しておく」。

 

EPISODE075の主な登場人物:榊原誠(平埜生成)、畑野助監督(三谷昌登)、平岡 (西村匡生)、園山(美藤吉彦)、岸(笠松祐介)。

 

ひなたは映画村へ行こうとするがるいが通せんぼ。虚無僧みたいな胡散臭い名前の人の誘いだから、と言ってるうちに、店のポスターを見て、かつてるいと錠一郎が一緒に見た映画に出ていた人物と悟る。

 

ひなたが映画村の橋に到着すると、虚無蔵「待ちかねたぞ。茶を一服進ぜよう。春雨じゃ、濡れていこう」。ひなた「雨降ってないし、今夏だし…」。虚無蔵はひなたを控室に連れていく。ひなたが両親が見た映画で殺陣が素晴らしかったと言うと、虚無蔵「拙者は大部屋役者。名もなき有象無象と心得よ」。虚無蔵はひなたが夏休みの間、ここへ通ってくるアルバイトをしないかと誘う。「このままでは時代劇は滅びる。拙者はそなたに時代劇を救ってほしいのだ」。ひなたは訳が分からず断り、控室を出る。

道端で躓くと、あの不愛想な男が倒れていた。死体の練習でもしていたか。男はコンテストでのひなたの演技を、受けると思ったのか、時代劇への冒涜だと非難した。ひなた「どうせ大部屋なんでしょ」。男「俺は五十嵐だ。アラカンの五十倍だ。いずれ超える。アラカンもモモケンも」。ひなた「私は大月ひなた。侍への、時代劇への愛は誰にも負け篇!覚えとき」。お互いに心の中で「こいつ底抜けのバカ/アホだ」。

 

ひなたは引き返し、アルバイトを受けると虚無蔵に答える。控室に香盤表が貼ってあり、破天荒将軍、江戸を斬る、金太郎侍などの時代劇を撮っていることを知る。さらにスタッフや役者もこの控室にやって来る。ひなたはここはパラダイスだと気付く。

そこへ役者やスタッフ、コンテストを企画した榊原がやって来る。ひなたがみんなにお茶を淹れようとしたとき、ラジオでは天気予報に続いて、薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」が流れ始める。榊原がひなたに気付き、自分が審査員ならひなたに審査員特別賞を上げたかったと。それに「すごいな、虚無蔵さんに見込まれるなんて」。3人の役者が出演を終えて控室に戻って来る。榊原から大部屋の役者さんやと聞いて、ひなた「有象無象?」3人のうち1人が「なんか言うたか?」榊原は「有象無象はいかんで」とひなたに注意した。そのうち助監督が轟組の斬られ役を募集しに来たので、3人とも手を挙げて控室を出ていく。大部屋役者の悲哀をひなたは感じた。

 

EPISODE076の主な出演者:五十嵐文四郎(本郷奏多)、破天荒将軍(徳重聡)、結髪さん(吉田真由)、衣裳さん(竹内宏樹)、従者(東山龍平)、殺陣師(平宅亮)、不機嫌な女優(安達祐実)。

※ 五十嵐文四郎は不機嫌な男、不機嫌な女優はおゆみの役名変更。

 

回転焼屋・大月にて。虚無蔵があの役者と知って、錠一郎「そうか、あの時の…。懐かしいな。もうあれから20年経ったんや」。一方、ひなたは榊原から『破天荒将軍III』の撮影スタジオに案内される。榊原「ちょうどラス殺や」。ひなた「らすたち?」榊原「クライマックスの大立ち回りのことや」。破天荒将軍は悪者を斬って、刀に布を当て血をふき取りながら決めゼリフ「世を治めんがため天荒を破る。人呼んで破天荒将軍」。

 

ひなたは五十嵐が演技を見ていることに気付く。ひなた「あの人も大部屋やのに何で斬られんのですか?」榊原「まだまだ、そこまでは。彼は養成所を出たばっかりのはずや」。ひなたはアラカンの50倍とかアラカンもモモケンも超えると偉そうなことを言ってた五十嵐が大部屋の中でも下であることを知る。

 

控室に美咲すみれ(不機嫌な女優)がやってくる。黍之丞シリーズの茶屋の娘・おゆみ役を卒業して7,8年になる。そのことを振られると「もう忘れちゃったわ。東京言ってからあんまり慌ただしくて」。ひなたはすみれにサインをねだるとすみれは快諾する。ひなたは色紙買ってきますと一旦控室を出る。

 

帰ってくるとすみれの不機嫌な声が聞こえてくる。「何で私が映画村のショーなんかに出なくちゃいけないのよ。私を誰だと思ってるの?美咲すみれよ」。その後「やってあげる。その代わり、すみれのお願い聞いてくれるかしら」。そのお願いとは破天荒将軍に出たいということだった。榊原は監督の轟に拝み倒して、最初は「知らんがな」と言われていたが、急遽スケジュールの関係で出られなくなった女優の代役ということで話がまとまる。一部始終を見ていたひなたはショックを受ける。榊原「あんまり仕事ないらしいわ」。

 

ひなたは京福電鉄(いわゆる嵐電)に乗って北野白梅町まで戻る。自宅に戻ると五十嵐が熱々の回転焼1個を買い求めていたところだった。ひなたは五十嵐を呼び止め、「こないだ見たで。破天荒将軍のスタジオの隅に居てたん。偉そうなこと言うて下っ端の下っ端やん」。五十嵐「明日第一スタジオに来い」。

※ これから察するにひなたの家は北野白梅町駅付近にあると思われる。吉之丞の母で吉右衛門の妻である初美も元々北野白梅町駅近くの蕎麦屋からあかにしまで出前に来ていた。一方、ひなたたちは結構近所の感じで賀茂川べりまで行ったり来たりしているが、結構遠い。自転車でもかなりあるし、歩いて数分って位置関係じゃない件。

 

翌日の第一スタジオ。すみれが助監督から「珠姫役の美咲すみれさんです」と紹介されているところだった。すみれ「また古巣の条映に戻ってこられて大変うれしいです」。ひなたがスタジオを見渡すと、五十嵐が立派な侍の扮装をして立っていた…。

 

EPISODE077の主な出演者: 美咲すみれ(安達祐実)。※ 前回の不機嫌な女優から役名変更。

 

珠姫がお花を活けているところに悪党が入り、「きやー」(明らかに下手な演技)。従者が助けに入ったが斬り捨てられる。改めて悪党3人が珠姫を連れ去ろうとして「きやー」。轟監督「相変わらずやな、美咲すみれ」。するとすみれが「お武家のお姫様がお花を活けるのっておかしくない?」ということでお茶を点てることに。もう一度同じ演技。その後すみれは「従者と珠姫は恋仲ってことにした方がよくない?」ということで、次のテストでは従者が死ぬと「千代之介ー。そなたの愛はしかと受け止めた。珠は障害そなた1人のものじゃー」。

 

次本番と言うところでひなたがしゃしゃり出る。スタッフが止めようとするが、本番前じゃないと意味がないからと「茶杓の抹茶を払うとき、こつんと音立てはらへん方がええですよ」。まわりが凍り付く。すみれ「気分悪いわ」。榊原に言われて謝るためにひなたがセットの和室に上がる。すると五十嵐も和室のセットに上がって「帰れ」。ひなた「あんたが来い言うたやん」。五十嵐「同じセット、同じストーリー、同じ立ち回りで喜ぶお前みたいなやつのために安く早く撮ってるんだ」。ひなた「それがばかて言うんなら私はバカでよかった」。と言って、黍之丞シリーズに毎回感動していたことを言う。

 

五十嵐「卑怯だぞ。そんな特殊な回のことを持ち出すなんて」。第21回「黍之丞危機一髪 おゆみ命がけ」のシーンが回想される。ここでのすみれは明らかに演技がうまい。筋としては、悪者におゆみが襲われ、黍之丞が助けに入る。助けたくば刀を捨てろと言われ、言うとおりにする黍之丞。悪党はおゆみの背中を斬り、おゆみは倒れる。黍之丞は怒り狂い、悪党を素手で倒していく。そしておゆみを抱き起すと、おゆみは背中に座布団を入れていて無事。なぜ入れてたかと言うと、黍之丞のために座布団を温めていたと。でもなぜ背中なのかは今も謎である。

 

轟監督「おい、そこの2人をつまみ出せ」。すみれはその回のことを懐かしむ。「だって轟さんが初めて演出した回ですもの」。轟「覚えてはったんですか」。控室にひなたと五十嵐は戻る。五十嵐「お前のせいで今日の仕事がパーだ」。ひなたは後ろの黍之丞シリーズのポスターを見ながら「あんたも見てたんやな。子供の頃に」。そう言って振り返ると五十嵐が消えていた。ソファの後ろに回ると、五十嵐がまた死体の真似?をして寝ていた…。