『俺たちの旅』は1975年10月5日~1976年10月10日まで全46回放送されたドラマ。
主な登場人物紹介:津村浩介(中村雅俊)は修学院大学バスケ部4年で主将。就職活動せずアルバイトでその日暮らし。すぐカーッとなるので愛称はカースケ。
熊沢伸六(津坂まさあき・現秋野大作)はカースケ小2の時小6だった先輩で、早大卒。竹内家(健太郎(北村和夫)・綾子(津島恵子))の離れに下宿していたところ、竹内家の一人娘・紀子(上村香子)と好い仲になる。ぐずぐずしているので愛称はグズ六。
中谷隆夫(田中健)はカースケと同学年のバスケ部、ダメ男を逆読みして愛称はオメダ。オメダとその妹・真弓(岡田奈々)は料亭なかたにの女将・美保(八千草薫)の子どもで、美保はシングルマザーとして2人を育て、父親のことは明らかにしていない。
山下洋子(金沢碧)は修学院大学バスケ部のマネージャーでカースケに思いを寄せる。
第1話「男はみんな淋しいのです」
バスケ部の試合で、カースケは補欠のオメダを出すため負傷したふりをする。オメダはいいところなく試合に敗れ、落ち込んでいるところに洋子が控室に入ってきて着替えを始める。その一部始終を見てしまい、オメダはダメな男だと落ち込み、家出を決意する。カースケはオメダ宅に泊めてもらおうとするが、オメダに付いていく。
一方グズ六は、竹内家の夕食に招かれ紀子との結婚を切り出そうとするも、その意図を察した両親から巧みに避けられる。よりによってグズ六はその日に会社の上司を殴ってクビになっていたのだ。屋台でやけ酒を飲んでいるところにカースケたちと遭遇し、グズ六の下宿に泊めてくれとのカースケの願いを一度は断るが、結局一緒に住む羽目になる。
第2話「男はどこか馬鹿なのです」
小学校教師をしているグズ六の母・しの(南美江)が上京してくる。しのはカースケの担任もしたことがある。失業中と知られたくないグズ六は出張中と偽り、カースケにあとを託す。しかし結局ばれる。グズ六はしのの好きな柿の実を盗んで(しかし家の人に見つかり、事情を話しもらえることに)しのに渡そうとするが受け取らない。カースケはそのことについてかつての恩師を叱り飛ばず…。
第3話「男はいつか歩き出すのです」
カースケとオメダはバスケの大学最終戦を控えているが、他の4年生は就職活動で最終戦の出場を回避する。一方、グズ六も新聞の求人広告から世界教育販売という会社を見つけるが、会社の前まで来て面接を受けずに引き返す。そのときちょうどその会社の部長の谷晶彦(穂積隆信)が靴磨きしてもらっていた。洋子は腹をすかしているカースケをホテルの食事に誘い、その際父の茂夫(瑳川哲朗)と母の幸子(小林千登勢)と引き合わせる。洋子は父に頼んでカースケのために東西製鉄の人事部長への紹介状を書いてもらう。カースケはその招待状をオメダに渡す。面接日はバスケの最終戦で、結局4年生で出場したのはカースケだけだった。グズ六も結局世界教育販売に就職を決める。
第4話「男の友情は哀しいのです」
洋子とオメダが歩いていると、洋子が誤ってヤクザの金井玉三郎(石橋正次)の足を踏んでしまう。激怒した玉三郎はオメダが母からもらった大事な時計を巻き上げてしまう。カースケはオメダを伴い、そのヤクザ者を探すが、見つかるとなんと水戸でカースケが悪かったころの友達だった。時計を巻き上げたのがカースケの友人だったと知った玉三郎だが、既に好きな女・則子(キャッシー・偶然にもグズ六の好きな紀子と同じ読みの名前)にその時計を挙げたという。則子に返してもらいに行くと既に暴力団員で玉三郎の兄貴分(角友司郎)に上げたという。玉三郎はその兄貴分や取り巻きに殴られ蹴られながらもオメダの時計を取り返す。
第5話「女もなぜか淋しいのです」
前回、実は「出入り」などなかったのだが玉三郎からそれを仄めかされ、玉三郎の応援に向かったカースケ。行く前に止めようとする洋子をカースケは平手打ちする。そのことで自信を失った洋子はNBSラジオの就職試験をやめると言い出した。オメダがカースケに洋子に謝らせようとするが逆効果になってしまう。洋子は他大学の女子大生の友達たちと就職試験の日に旅行に出かけようとするが、カースケが寸前のところで洋子に謝り、洋子は受験する。オメダも同じ日、学生服を着て東西製鉄を受験しに行く。
第6話「男の人生には色んな事があるのです」
グズ六はなぜか女にモテる。世界教育販売の同僚・森田和子(関谷ますみ)から誘われ、家の近くの井の頭公園の池でボートに乗っていた。紀子が近くを通りかかり、慌てて隠れようとして和子を池に落としてしまう。竹内家の離れに和子をかくまい、和子の洋服を買いに出かけると紀子と鉢合わせし、紀子へのプレゼントだとごまかす。しかし結局紀子に和子のことがばれてしまう。こうなったら夜這いするしかないとカースケに煽られたグズ六は、紀子の部屋のベッドの下に潜り込む。やがてやってきた派手な靴下の主を紀子と勘違いして襲おうとするが、実は紀子の靴下を履いた母の綾子だった。これが決定打となり、グズ六ら3人は竹内家の離れを出ていく羽目になる。
3人はカースケが前々から目をつけていたいろは食堂2階のたちばな荘に下宿できることになる。いろは食堂の主人は坂田大五郎(名古屋章)だが実質的な決定権は娘の奈美(水沢有美)が握っており、カースケが1人で頼みに来たときは、奈美が承知しないと入れられないと言っていたが、3人で来た時は奈美が誰を気に入ったかわからないが一発OKが出て、その日のうちに間借りできることになったのだった。
第7話「人はみなひとりでは生きてゆけないのです」
3人に出されたトンカツの大きさの違いから、奈美がグズ六を気に入ったことが判明する。下宿の隣の部屋には東大を目指す浪人生・浜田大造(森川正太)が住んでいた。いつも着ているヨレヨレの寝巻の様子から、愛称はワカメ。3人が下宿で騒いでいるとワカメから勉強の邪魔だと文句が入る。3人のせいで階段から落ちたワカメは記憶喪失を装う。3人が交代で寝ずの番をしているので、ワカメはからかってやろうとガス自殺騒ぎを起こす。何とか止めようとしたオメダが2階から落ち入院してしまう。ワカメはそれまでの態度を改め謝罪し、3人と仲良くなる。
一方、ワカメを尋ねに来ていた高校の同級生・富永美枝子(永野裕紀子)のことをワカメはずっと好きだったが、美枝子の目的はワカメではなかった。結婚が決まったので高校の時好きだった滝田(竹村真吾)の居場所をワカメが知らないか尋ねに来ていたのだった。滝田はワカメと同じ予備校の生徒で、ワカメが美枝子を滝田の下宿に連れてくると、勉強の邪魔しにきたのかと滝田に言われ、ワカメは美枝子のための怒る。3人が飲んでいるところへワカメも合流し、カースケは「ふれあい」を歌う中、ワカメは豪雨の中吹っ切れたように万歳を繰り返す。
第8話「男の胸に哀しさがあるのです」
ノルマを達成してないグズ六は、部長の谷から20万円売り上げないとクビを宣告される。カースケとオメダはチリ紙交換のアルバイトで、オメダが気になって持ち帰った雑誌の中から28万円が出てくる。持ち主は裕福な学生で、28万円を返してその金で英語のカセットを買わないかと交渉すると、50万円下ろしたのに22万円足りないと言い出す。オメダはバイト仲間の鉄男(佐藤晴通)が何か知ってるのではないかと言い、鉄男に質すと母(野村昭子)に22万円渡したという。鉄男の母は食堂を経営しているが、持ち逃げされたお金の補填にしようとしていた。カースケは可哀そうになり、22万円は見つかったが自分で使ったと言い、学生とその仲間に殴られる。グズ六も駆けつけ、カースケを殴る奴から買ってもらわないとカースケを助け、学生たちを殴る。グズ六のためカースケとオメダも協力して、ようやくノルマを達成しグズ六はクビを免れる。
第9話「男はいつか愛を知るのです」
カースケとオメダが清掃のバイトに入った会社で、三浦恵子(多岐川裕美)というきれいな女性を見つける。恵子にデートを申し込もうとしたカースケだが、オメダも気に入ってることに気付き、デートの約束を取り付けオメダに譲る。互いに惹かれあうオメダと恵子だったが、恵子には寺田(富川澈夫)という婚約者がいた。寺田は恵子の会社の元同僚で、汚職事件の責任をひとり負わされ退職させられ荒んだ生活を送っていた。
一方、紀子は医師との見合いの話があったが、見合い当日にグズ六は竹内家に乗り込み、ついに「紀子さんを下さい」と両親に告げる。紀子は見合いをやめると言い出し、健太郎はグズ六を「無礼だ。君には紀子をやらん!」と激怒した。オメダは恵子を仙台の喫茶店に逃がそうとする。恵子はオメダと一緒のバスに乗るが、追いかける寺田を見てバスから降りて2人は抱き合う。オメダはカースケが自分に恵子を譲ったので自分も我慢したんだとカースケに告げた。
第10話「おふくろさんも女なのです」
オメダが雑誌の『社長の娘』というグラビアを熱心に見ていた。カースケとグズ六はオメダが社長の娘である長谷雪絵(志摩みずえ)が気に入ったと勘違いし、紀子の大学の後輩というつながりを利用してオメダと雪絵を引き合わせる。しかし実際には、オメダは父親・義隆(岡田英次)の方が気になっていた。昔見たことがあるので、自分の父親ではないかというのだ。
カースケは雑誌を持ってオメダの家に行き、グラビアのページを開いてさりげなく美保に見せようとする。しかし直前にページがめくれ、美保は何の反応も示さない。それでオメダと雪絵の付き合いはGoということで付き合い始める。しかしカースケが残していった雑誌を改めて見て美保は愕然とする。真弓に怖い顔して「この雑誌あなたが持ってきたの?」と問い詰める。どうやら義隆がオメダの父親らしいと気付いたカースケとグズ六は、オメダと雪絵の仲を引き裂こうとする。オメダは母のことを追い詰めるのを良しとはせず、義隆のことを曖昧にしたまま雪絵との別れを選択する。
第11話「男はみんなロマンチストなのです」
カースケはヤクザから足を洗おうとして船員の免許を取ろうと頑張っていた玉三郎を訪ねる。カースケは玉三郎から食堂で働くぽっちゃりしたかわいい店員・のりこ(石井くに子)を紹介される。玉三郎はまたものりこという名の女の子を好きになったのだ。その帰り、カースケは画家の女性(浜美枝)と知り合う。互いに惹かれあうが、女性は名前は言わないしカースケにも名前は聞かないという。しかし付き合いが深まるにつれ、女性は栗山秋子と名乗り、カースケの名前を聞く。名前を言ったのは「あなたとのことを夢のまま終わらせたくなくなった」からだという。カースケは2人の新しいアパートを見つけ秋子の合流を待った。そのアパートは古くて狭いアパートだった。
のりこは玉三郎が船舶という簡単な漢字も知らないことに呆れる。そしてある日、玉三郎はのりこが光陽大学主催のダンスパーティに男子学生と入っていくことに愕然とする。玉三郎はのりこに振られたことを悟る。カースケはたちばな荘を出て2人の愛の巣で待ったが秋子は来ない。オメダとグズ六で秋子を見つけ、秋子がいいところの奥さんだったと知る。2人はカースケに諦めさせるために現実を見せる。グズ六から「画家を目指していたが子どもができて絵が描けなくなった。でもカースケと一緒ならまた描けるかもと思っていたそうだ」。オメダから「あの人お前のことホントに好きだったんだよ。最後の最後まで迷ってたんだ」と聞き、秋子からの手紙にはカースケへの謝罪の言葉が綴られていた。
第12話「妹はちょっと甘えてみたいのです」
水戸からカースケの妹・稲葉みゆき(秋本圭子)が上京してきた。みゆきはカースケとみゆきの叔母・稲葉菊代(町田博子)の家に引き取られて稲葉姓になっていた。みゆきは手紙でオメダとグズ六のことはよく知っていたが、兄自身のことを知りたいと思っていた。その日グズ六がカセット500万円売り上げ、これで堂々と紀子に求婚できると喜び、それを祝ってカースケはワカメを含む4人で飲むばかりでみゆきの相手をしない。
カースケが起きるとみゆきの姿は既になかった。カースケはみゆきを追いかけ那珂湊駅に降り立つ。一方、みゆきはオメダから兄の恋人・洋子のことを聞き、洋子に会いに行く。カースケは叔母夫婦が営む雑貨屋・稲葉屋に行くとみゆきはまだ帰ってなかった。菊代によると、高3のみゆきを短大にやろうと思っていたのにみゆきは高校を卒業したら働くと言ってけんかしたらしい。菊代は実の娘と思っており、遠慮が過ぎると言った。その日の夜遅く、みゆきが那珂湊駅まで戻ってきて、翌日は兄妹で墓参りその他いろいろ廻ったのであった。
第13話「男は自立したがるものなのです」
グズ六は紀子とのデートにうつつをぬかし、カースケは洋子から悩みを打ち明けられたとニヤついていて、オメダは面白くない。そんな時、似顔絵かきの女・かおり(桃井かおり)と知り合い、彼女の部屋に誘われる。かおりからはコーヒーを振舞われ、良かったら泊っていけと言われ泊るオメダ。さらにかおりから一緒に暮らさないかと言われ、オメダはそれを受け入れる。朝起きるとコーヒーの香ばしい香りが漂う中、かおりから「お腹すいた。なんか作って」と。かおりはオメダとの結婚は考えておらず、部屋代が高いのでオメダにルームメイトになってもらい、オメダに主夫役をこなして欲しいという腹だったようだ。オメダはいろいろ迷った結果、かおりの部屋を出ていく。
第14話「馬鹿がひとりで死んだのです」
玉三郎のところをヤクザの兄貴分が訪ねてきて「かたぎになるには借りは返せ」という。グズ六は紀子との関係を認めさせるには駆け落ちしかないと息巻く。そこへ新しい入居人・清水祥子(三浦真弓)がやってきた。たちばな荘の1階のいろは食堂の隣でスナック「ポコ・ア・ポコ」を開くという。大五郎は最初、祥子ひとりで来たので権利金も安くしたが、引っ越しの時夫の和也(河原崎建三)も居たのだ。和也がいろは食堂でビールを飲んで奈美と仲良くしていると、祥子が和也を呼びに来た。2人は結婚しようとしたが親から反対され、既成事実を作ろうと駆け落ちしたが、和也にしてみると結婚は女の罠だ、という。
グズ六は井の頭公園で会社の同僚の和子と野中順子(丘淑美)からケーキらしきプレゼントをもらう。グズ六はその後の紀子とのデートでそのプレゼントを紀子に渡す。グズ六は紀子から信州の友人が旅館やってるから駆け落ちしようと提案を受ける。しかし和也の話を聞いたグズ六は躊躇い、考えさせてと駆け落ちを見合わせた。玉三郎がカースケたちの部屋を訪ね、水戸に帰るからと部屋を掃除し夕食を振舞う。玉三郎は弁当を作り、則子と同じ名前の紀子に食べさせてと渡す。電話で呼び出された紀子はグズ六からもらったプレゼントを突き返す。女性からの手紙が入っていたから女性からもらったものを横流ししたのを気付いたからだ。グズ六は弁当を紀子に食べてもらおうとするが紀子は要りませんと言って弁当をひっくり返してしまった。グズ六は馬鹿野郎!と怒鳴った。
その日はワカメ、大家親子と清水夫妻も加わっての大宴会だった。宴会後、カースケは玉三郎を送っていく。玉三郎に頼まれ、カースケは則子を呼び出そうとするが則子は拒否した。カースケは玉三郎に何か隠し事があるのではないかと聞いたが、玉三郎はカースケを巻いた。翌朝の新聞に、銃撃戦で組員一人死亡の記事に玉三郎の写真を見つけて、カースケは号泣する。
俺たちの旅(その2)に続く。