『あまちゃん』第12週「おら、東京さ行くだ!」】
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北鉄に揺られ、ウニ丼を泣いてかきこみながら、アキ(能年玲奈)は考えた。なぜ私は、この町から出ていかないんだっけ?北三陸に来て、1年と1か月。ついにアキがこの地を去る日がやってきた。
この日は副駅長の吉田(荒川良々)が大活躍。気分よく東京の歌を歌っている。ピチカート・ファイヴ「東京は夜の七時」(1993年)、内山田洋とクール・ファイブ「東京砂漠」(1976年)、やしきたかじん「東京」(1993年)、吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」(1984年)を次々歌いながら、駅の戸締りをし、梨明日に入ってビールを注文する。ご機嫌の訳は、今日の晩御飯が手巻き寿司だからだという。この時、吉田はまだ実家暮らしで、母・妹(奇しくも名前がユイ、ブスだけど)と3人暮らしであることが明かされる。もう一度所用で梨明日を出たときは、BOΦWY「NO.NEW YORK」(1985年、1982年は「NO. N.Y.」のタイトルで)を歌っていた。東京の歌も尽きたか。
北三陸駅に着き、夜行バスをヒロシ(小池徹平)が見張っていることに気付き、ユイ(橋本愛)と二人で駅の学習スペースに灯りも点けずに隠れるアキ。(写真①はヒロシが「ユイは別にいいんですよ。行きたきゃ行けばいい。でもアキちゃんは、彼女はこの町に必要だ」というのを聞いて嫉妬に狂う栗原ちゃん(安藤玉恵))。
ユイ「知ってた?うちの高校、修学旅行東京だったの。(でも)骨折して行けなかった。お風呂で転んで。無理すれば行けたけどね。でも逆によかったと思う。最初の東京が修学旅行なんてダサいじゃない。こんな田舎の、駒場と駒沢の違いもわかんないような田舎の高校生と一緒じゃあ、東京に失礼だよ」。
※ 駒場と駒沢の違いは高度すぎるよ。
すると吉田が電話しながら激昂している。
吉田「冗談じゃないよ、ユイ!勘弁してくれよユイ!何だよ。今更ちらし寿司に変更って!気持ち切り替えらんねえよ!母ちゃんに代わってけろ!」
この電話で話が途切れたが、再び東京の話に戻る。
アキ「おらと全く逆だな。ユイちゃん、先に言っとくけど、おら東京行ったら別人になるからな。口数減るからな。「じぇじぇ!」どか、言わねえがらな!基本敬語になるからな!一日1食になるからな!歩く速度が1.5倍になって、便秘になるからな。ネガティブなポエム書くからな。毎日、木や草花に話しかけるからな。毎日!」
そこへ勉さん登場(写真②)。勉さんに「し!」のポーズを取り、口外しないよう無言で頼むユイ(写真③)。しかし時間はもう9時。バスに乗り込むだけだ。ヒロシに電話し、見張りを解こうとするアキ。いろいろ話すがヒロシは警戒をやめない。そこでアキは、
アキ「ストーブさん。おら東京さなんか行ぎだくねえ!ずっとここさいでえ! 北三陸で暮らしてえ!」
ユイ「アキちゃん…」。
アキ「助けてけろ!本当は家出なんかしたくねえんだ!」
ヒロシ「落ち着いて、アキちゃん。すぐ行くから! 今どこ?」
そしてその一瞬、アキはユイに
アキ「行こう!」
駅舎を出て、上野行きの急行バス(写真④)に飛び乗るアキとユイ。東京行きは成功したかに思えたが…。駅を出発すると、バスの方向幕(いわゆる行先表示)がグルグル回転し、回送となった後(写真⑤)、袖ヶ浜に。バスの運ちゃんも「このバスは、袖ヶ浜循環バスでございます」とアナウンス。しかも駅を出て最初の停車駅が終点とは!
運転手「えっ?東京?行きませんよ。えー次は、袖ヶ浜、旧漁協前。終点になります」。って7時半から1時間半も「上野行き(急行)」と表示しておいて、発車した途端行き先変更。しかも循環バスとか言いながら、循環せずに旧漁協前が終点とは。せめて駅まで循環しろよ、といろいろツッコミどころ満載ですが、兎にも角にもアキとユイの北三陸脱出大作戦は失敗に終わったのでした。(第67回)
第68回。観光協会でのK3RNSP(北三陸を何とかすっぺ)会議。いい大人たちがユイを取り囲んで詰問している。
大吉(杉本哲太)「今回の議題は他でもねえ。我らが北鉄のユイちゃんと、海女のアキちゃんが家出を企てた。よりによってバスで(←鉄道のモータリゼーションに対する敗北)。深夜バスで。ユイちゃんは2回目だ。一番の問題は、前回は、引き留める側だったアキちゃんまでも、家出する側に回ってしまった事だ。幸いバスは、袖ヶ浜行きだったので事なきを得た」。
一方で同じ頃、アキは海女カフェで海女クラブのメンバーから詰問を受けていた。
大吉「北鉄、北の海女、潮騒のメモリ―ズ。この三枚看板でいきたいんだ!」
ユイ「それについては考えました。確かにうちらがいなくなると、一時的に観光客は減るでしょう。でも、PRなら東京行っても出来ますよね? むしろ、北三陸の知名度を上げる為には、ここへいて観光客を待ってるより、東京へ行って呼びかけた方が効果的なんじゃないかって」。
菅原(吹越満)「くそ。正論だ!」
ユイ「北三陸の名前を全国区にする為に、アキちゃんも私も、東京行ったら積極的になまっていこうって。むしろ、じぇじぇって、じぇじぇって言っていこうって。相手がタモリさんだろうがアッコさんだろうが、じぇじぇで通そうって!好きな食べ物はまめぶとウニ!いつでも食べ(ら)れるように肩にウニ載っけて。名前もJJガールズにして、「じぇじぇ」で、流行語大賞も取りまーす!よろしくお願いしまーす!」
と大演説をぶつ。
一方、海女カフェで。
かつ枝(木野花)「東京で、何するつもりだったか言ってみろ」。
アキ「アイドル」。
花巻(伊勢志摩)「フフフッ」。(中略)
アキ「海女は好きだけど、今じゃなくてもできるべ。だけど、ユイちゃんど東京さ行って、アイドルさ…なれるかどうかわがんねえけど、それは今しかできねえべ!」
美寿々(美保純)「なれねがったら、どうする?」
アキ「そん時は潔く帰ってくるべ」。
かつ枝「帰ってきて、まだ潜んのが?」
アキ「当たり前だ! おら海女だもん! ただし、町のためどが、誰かのためでねえ。おらが潜りでえがら潜るんだ。じいちゃんが言ってた。ここが、世界で一番いい所だって、夏ばっばに教えるために、長く航海してるって。おらも一緒だ。ここが一番いいぞって、みんなさ教えるために、東京さ行ぐ。行ぎでえんだ」。
かつ枝「行がせてやっぺ!行げ、アキ。ここはおらだちに任せで、東京で頑張れ(中略)どんだべ、夏ばっば。アキの好きなように、させてやってもらえねえべか」。
弥生(渡辺えり)「夏ばっば、おらからも頼む。行がしてやってけろ!」
夏(宮本信子)「うん。おめえらの気持ちは、よーくわがった(by石橋貴明)。アキ。おめえ、東京さ行ってこい」。
アキ「ばっば…」。
夏「町の大人たちはおらが説得する」。
再び観光協会。
春子「ユイちゃんが芸能界に憧れてるっていう気持ちはよーくわかった。うん。東京行きたいなら行けばいい。ただね、アキを巻き込まないでほしいの。田舎に来て、やっと殻破ったのに。また東京に戻ったら、もとの、地味で暗くて、向上心も協調性も…」。
大吉「アキちゃん!」
そこへアキが海女クラブのメンバーと入ってくる。
夏「アキの応援で来ました」。
さあ、いよいよ正念場。この欲に目がくらんだ大人たちの、たまたま中央にボスキャラよろしく鎮座する、氷のように冷たい目つきの母親に、
アキは想いのたけをぶつける事ができるのか?(明日へ続く)
第69回。観光協会にて夏が差配して話を進める。
夏「アキ、おめえ、夜逃げしようとした事、みんなさあやまれ」。
ユイ「お騒がせしました」。
アキ「すいませんでした」。
夏「よし。ほんだら春子。アキの顔叩いた事、ちゃんとあやまれ」。
春子「なーんで今?」
夏「こういう事はな、後々大きなしこりが残るんだ。みんなさ見てる前で、ちゃ~んとあやまれ」。
春子「(小声で)ごめん」。
夏「聞こえねえ」。
春子「すいませんでした」。
次に春子と大吉と足立(平泉成)の意見を聞き、春子は娘の将来のため、大吉は金のため、足立はユイ本人次第と要約する。まとめるだけまとめたら、もう眠いと言ってその場から退散する。
一方、喫茶リアス。春子はアキと話合うため7時で上がろうとする。そこへ水口(松田龍平)が登場し、コーヒーを注文する。隣にいた勉さん(塩見三省)のみびっくりするが、みんななかなか水口に気付かない。春子に至っては一旦外に出てから、「つうかさ。水口いなかった?」と聞く始末。
水口「今日は社長の代理できました。オーディションではなく、正式にユイちゃんとアキちゃんをハートフルの所属タレントとして迎えたいというご相談です」。
水口はGMT47計画を説明する。静岡代表、茶柱ピンピン娘。福島代表、赤べこ&青べこ。福岡代表、親不孝ドールズ(写真)、などなど。
水口「信頼…されてないのはわかっています。でも僕も本気なんで。ここで引き下がる訳にはいかないんです」。
春子「今日、これから話し合うんです、本人と。あっちは東京に行くつもり。こっちは、絶対に行かせないつもり。どっちが勝つかな~?」
と言ってリアスを出て行く春子。さあ、話し合いはどうなる!?
第70回。春子帰宅。2階の自分のかつての隠し部屋で、アキに「ママね、あんたが東京に行くのを全然反対しない。韓流スターの追っかけになるとか、なでしこジャパンに入るとか、もう全然OK!ガールズバーで働きたいとかでも全然OK!アイドル以外だったら何に憧れても全然いい!それぐらいアイドルは駄目!許さない!」と言う。それに対しアキは「おらがアイドルになりでえって思ったのは、ママの歌聴いた時なんだよ。(中略)鈴鹿ひろ美の「潮騒のメモリー」もかっこよがったあ。やっぱり女優は違うなあと思った。でも、おら、ママの歌のほうが好ぎだ。先に聴いだがらかもしんねえが、ママの歌のほうが本物だって思った。今でもそう思ってるよ」と言う。 ※そのホントの意味はもっと後で明らかに!
春子は何て答えてよいか分からず、夏に聞いてくると言って下へ降りる。春子と夏は向かい合う。
春子「アキが、東京行くって言ってきかないの。アイドルになるんだって。どうしたらいいと思う?」
夏「行がせてやったらいいべ」。
春子「何で?」
夏「本人が行きてえって言ってるからだ」。
春子「私も行きたかったけど?」
夏「いつの話してんだ?」
春子「どうしてアキには甘いの?孫だから?娘のことは突き放したけど、孫のことは守るんだ。ねえ、答えてくんないとさ、私もアキに何て言っていいかわかんないんだよ!」
夏「なしてだべなあ。やっぱし、あん時のことが引っ掛かってんだべな」。
春子「え?」
夏「母親として、娘の将来も考えねばなんねえ。同時に、海女クラブの会長として地域の活性化に貢献せねばなんねえ。北鉄が開通して、あの頃はみんな、前向いでたもんで。地元のために、娘を犠牲にした事、今やっぱし後悔してんだべな」。
春子「ちょちょっ、え。やめてよ。え?」
夏「あの晩おめえは本気で訴えかけてきた。おらも本気で応えるべきだった。その事を、ず~っとず~っと悔やんでだから。おめえの顔見んのがつらかった。すまなかったな、春子。25年かかった…。このとおりだ。許してけろ…」。
春子「お母さん。顔上げてよ、お母さん」。
夏「ふぅう……。すっとしたぁ。やっと言えたべ」。
春子「私もすっとした」。
夏「そうかい?」
春子「ヘヘ!謝ってほしかったのか、私。よく分かったね?私も、すっとした」。
ついに夏と春子が和解!そしてもう一つの25年目の真実は土曜日に明らかに!写真は「君でもスターだよ」に出演する若き日の春子(有村架純)とバックダンサー真ん中左の太巻(古田新太)。
第71回。母との和解後、春子が2階に戻ると、アキは「君でもスターだよ 1984.5」のテープを握りながら寝落ちしていた。そこで春子はアキへの手紙をしたためようとする。しかしすぐに気配を察知してアキが目を覚ます。春子はアキのアイドルへの挑戦を許可する。
2009年8月22日(契約書の日付より)、観光協会にて。アキとユイ、春子と足立が契約書に署名する。
水口「それじゃあ最終確認です。ユイちゃんのお父さん、アキちゃんのお母さん、大事な娘さんを弊社に預けていただけるということで、よろしいでしょうか?」
春子「はい」。
足立「よろしくお願いします」。
水口「それじゃあ、ハンコの方をお願いします」。
こうして、北鉄のユイ、海女のアキは東京へ行くことになった。北三陸のアイドルが故郷を離れ、日本のアイドルを目指すのである。
北三陸駅にて。
ユイ「深夜バスにしない? 新幹線より安いし」。
大吉「駄目だ! ミス北鉄をバスなんかで送り出す訳にはいかねえ!貸切だ。臨時便だすべ。第三セクター、なめんなよ」。
という訳で、三陸海岸を北鉄で下るルートになりました。アキが北三陸駅を8:30に、ユイが畑野駅を9:20に出発すると仙台に15時頃着く。後は新幹線で2時間だ。←それにしても仙台までが長い。
アキは出発の前日、思いっきり潜りウニをたくさん獲った。一方のユイは最後の晩餐を家族で摂った。足立が食事を途中で切り上げ、何か頭が痛いと言って席を立とうとしたとき、ユイは別れの挨拶をする。
ユイ「お父さん。お母さん。それからお兄ちゃん。長い間、お世話になりました」。
出発の朝。北三陸駅で。副駅長の吉田から新幹線のきっぷ(新幹線指定席回数券、8月23日から11月22日まで有効)を2枚渡される。6枚つづりだが、帰りの分2枚としてもあとの2枚はどうするつもりだろう?
吉田「ほれ、仙台がら新幹線の切符。ユイちゃんの分も、無くすなよ」。
大吉「帰りの切符も持ってくか?」
アキ「要らねえ」。
大吉「要らねえと、吉田!もうアキちゃんの心は、都会の絵の具に染まってるど!(by太田裕美)あ~!」
海女クラブのメンバー(ワカメを獲りに出かけた夏を除く)もアキを見送りに来る。弥生から力任せに抱き付かれ、激励の言葉を受け、そして力任せにミサンガを手首に巻きつけられるアキであった。
契約書より。
東京都渋谷区神南3-2-1-302
株式会社 オフィスハートフル
代表取締役 荒巻太一
ユイの本名が足立結衣であることが明らかになる。また足立家の住所は
岩手県畑野村白樺台111-
である。番地の枝番までは見えなかった。
天野家の住所は既に春子の離婚届の中で明らかになっているが、岩手県北三陸市袖ヶ浜3-7である。
第72回。春子はアキに、後で読んでねと自分の半生を綴った手紙を手渡した。そして春子は大吉と駅に残りアキの出発を見送る。吉田が車掌として臨時列車に残る。
喫茶リアスにて。
春子「あの子たちは幸せよ。みんなに祝福されてさ。私なんか誰も見送りになんか来なかったもんね」。
大吉「嘘、嘘。凄い人出だったべ。日の丸の旗振って」。
春子「いやいや。それは北鉄を見に来た人たちでしょ?うちなんか母親も来なかったんだから」。
勉「春子さん。(中略)お母さん、いたんだよ、あの日。夏さん、ちゃんと見送りしてたんだ。(中略)ホームじゃなくて、浜で」。
弥生「何だや!そったら大事な事、なして黙ってだ勉さん!」
勉「誰にも言うなよって。夏さんから、ワカメもらったから」。
菅原「ワカ…え? それで25年もが!」
春子「それって、浜でって?え!じゃ、何で私気付かなかったんだろう?」
大吉「ごめん春ちゃん!おらが、話しかけたからかもしんねえ」。
第39回の回想シーン。北鉄で東京へ家出する若き日の春子に話しかける若き日の大吉(東出昌大)。
大吉「春ちゃん、東京さ行ぐのか?北鉄も通ってこの町もますます活性化するべ」。
春子「うるせっ!一人で生きていくって決めたんだ! どいて!」
と言って席を立つ。その時列車は陸橋に差し掛かり、
夏「よし来た!頑張れー! 春子ー!行ってこーい! 春子ー!元気でなー!バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!」
と大漁旗を振る夏(写真)。
春子「ずーっと恨んでた。もしもあの時、お母さんが笑顔で送り出してくれてたら、どんなに気が楽なんだろうって」。
ようやく25年目にしてすべてのわだかまりが夏と春子。
そして25年後も同じ場所でアキに大漁旗を振って送り出す夏と、それに気づいて応えるアキ。アキを乗せた臨時列車が畑野駅に着くと…。
ユイ「ごめん。行けなくなった。でもすぐ追っかけるから。先行ってて」。
ヒロシ「おやじが倒れたんだ」。
ユイ「ごめんね、アキちゃん」。
アキ「いや、うん。そしたら、おらも行ぐのやめるが」。
ユイ「駄目!それは駄目!アキちゃんは行って。大丈夫、すぐよくなるから。必ずすぐ行くから。ね!」
ということで一人で東京へ旅立つアキ。次週・東京編よりしばらくアキ(能年玲奈)がナレーションを務めます。