詩 | 酒と歌の日々

①道の終わりが見えてきたとき

人は振り返り遠くを見渡す

大きい山のふもとに置いてきた

深い河のほとりに置いてきた

何かをやっと思い出す

 

かたく握った両手の中の

黄金の塊と思っていたものは

すでに固く冷たい石になり

そこら中にたくさん落ちていた

 

他の大切なものを振り払い

このゴールに運んでいたのだと

たくさんの冷たい石が

ポケットにも大きな背中のカバンにも

詰め込まれている

 

道なき道を歩いてきたはず

苦しい時を乗り越えてきたはず

険しい山にも苦しみにも耐えてきた

悲しいときには無理して笑い

自分一人の力だったか

 

かたく握った両手の中に

一番大切なものをつかんでいた

これが世界で一番価値があり

生まれて生きてきたあかし

 

他の何も持てないほどに

このゴールに運んでいたのだと

たくさんの冷たい石が

ポケットにも大きな背中のカバンにも

詰め込まれている