①道の終わりが見えてきたとき
人は振り返り遠くを見渡す
大きい山のふもとに置いてきた
深い河のほとりに置いてきた
何かをやっと思い出す
かたく握った両手の中の
黄金の塊と思っていたものは
すでに固く冷たい石になり
そこら中にたくさん落ちていた
他の大切なものを振り払い
このゴールに運んでいたのだと
たくさんの冷たい石が
ポケットにも大きな背中のカバンにも
詰め込まれている
②
道なき道を歩いてきたはず
苦しい時を乗り越えてきたはず
険しい山にも苦しみにも耐えてきた
悲しいときには無理して笑い
自分一人の力だったか
かたく握った両手の中に
一番大切なものをつかんでいた
これが世界で一番価値があり
生まれて生きてきたあかし
他の何も持てないほどに
このゴールに運んでいたのだと
たくさんの冷たい石が
ポケットにも大きな背中のカバンにも
詰め込まれている