【えっ、名前? なんすかそれ?...】
おいらは、名前を呼ばれると、
振り返ったり、代表のそばに行ったりする。
これを観て、ほとんどの人は、
「ダップは、自分の名前がわかっている」って
考えちまうようだ。でも、おいらは、
自分の名前が、わかってるわけじゃないぞ。
おいらは、代表と暮らし始めてから
いままでずっと、
「ダップと呼ばれる
代表に注目する。
(あるいは代表のそばに行く)
「いいことが起きる」
という流れを体験してる。
おいらに限らず、多くの動物は、
「先行刺激」 「行動」
「いいことが起きる」といった流れの体験を
繰り返すと、いいことが起きるので
その行動の頻度を高める。
やがては、
「先行刺激」感じ取ると、その「行動」を
すぐにとるようになるんだ。
これは、学習心理学で「三項随伴性」
って、言われていて、実験すれば必ず
そうなる。海外では、ABC理論なんて
いわれてるらしい、
Aは Anteccdentで先行刺激、
Bは、Behaviorで行動、
Cは、Consequenceで、結果ということ。
さっきの名前を呼ばれると
注目するっていう流れは「ダップ」は
先行刺激、
「飼い主を見る」は行動、
「いいことが起きる」は結果になるだろ、
まさに、この三項随伴性(ABC理論)に
ドンプシャはまるってわけさ。
でも、「ダップという音節が
自分を意味するって認識が、おいらに有るか?」
って、問われると、難しいところだ。
おいらは、「フードがもらえる行動は何か?」、
「その行動を起こすべき状況」、
「先行刺激は何か?」
を理解・記憶したにすぎないんだな。
そもそも、すべてのものに、
名前をつけてるのは人間だけだ。それは言葉を
操れるからで、おいらたちにはできない。
だからといって、人間が高等だって
いうんじゃないぞ。名前を
つけるのが、人間には、生きるうえで必要なだけさ。
ほかの動物たちには、
そんなもの必要ないからね。人間って
不便な動物だってこと。
さて、ここで問題。
人間は、子どもをその「名前」で
呼んで叱るけど、おいらたちイヌにも、
それを、行うべきだろうか?
さっきのように、「名前を呼ぶと
振り返るようになる」という
流れに当てはめてみようか?
名前で叱るっていうのは、
「ダップ=先行刺激」
「飼い主を見る」
(あるいは、飼い主のそばへ来る)=行動
「イヤなことが起きる=結果」
となっちまうぞ。
動物は嫌なことが起きた行動は、
とらなくなるから、名前で
呼ばれて飼い主を見なくなるように、
あるいは、そばに来なくなるように
教えているのと同じことだ。
それだけじゃない。おいらたちは、
嫌なことの起こる行動の頻度も高める。
もし「名前=先行刺激」
「飼い主から逃げる=行動」
「嫌なことがなくなる=結果」って流れを
繰り返し体験すると、
おいらたちは「名前」っていう
「先行刺激」を感じ取って、
飼い主から逃げるっていうことを
学習しちまう。
「イヌを名前で叱ってはいけない!」
って、代表はよく言っているけど、
その理由は、こういうことなのさ...。
備考:この内容は、
2011-4-20
発行:成美堂出版
著者:西川文ニ
「もしも、うちのワンちゃんが話せたら...」
より紹介しました。
(編集後記)
「こんにちは~」
うっぷ!
イヌが、しゃべっただと?
シャベルということは、
掘るもん、
ということで、
BBQかな?
えっ...!
どういうこと?
右も左も、
お先、真っ暗だぜ~い。
うっ...!
だったら、ジェイソンに」、
電話しなきゃ!
きゃは!
それをいうなら、
フレディでしょ!?
きゃは! じゃ、
メルアド、
IPアドレス、
電話番号、
社会保険証番号、
知っているの?