「あげ●ん」(1990年)
伊丹十三監督
宮本信子、津川雅彦出演
「あげま◆」ってのは、ソー●嬢ぐらい
女に頼ってちゃ出世はできねぇって...。
「どーも、黒澤明です。「夢」ではボケて
しまいまして、お客さんにグーグー夢を見せてしまい、
まことにどうも、夢なもので...」
失礼しました。
というわけで、はじまりましたが、
「どーも、大島渚です。セッ●ス映画は
当たります。最近は、タレント業専念のワタシですが、
来年こそは、「あげま●」に負けない
セッ▲ス映画を絶対に...」
失礼しました。
というわけで始めますが、私が監督の北野です。
3本目の監督作品「あの夏、いちばん
静かな海」というお涙頂戴の異常な恋愛映画を
取り終えて、只今、監督休養中、みなさん、ひとりでも
2人でも友達、家族、愛人を誘って
映画館に来てください。
おまえもだ!
堅苦しいご挨拶はこのくらいにして、と。
1発目は、「あげ●ん」について語るわけだけど、
とりあえず快楽原則に従って話しちゃうことによって、
自我のバランスを取り戻そう、と。どうも
映画を見た直後だから、伊丹監督の口グセが
移っちゃうね、と。
まずひとこと、なんてったって監督伊丹十三はエライ!
「あげま●」って言葉を探しだしただけ
でもエライ。「あげ▲ん」ってのは
放送禁止用語だからね。
「■」の1文字をくっつけると、
このほとんどが禁止用語の「あげま◆」をどんどん
放送させて 客を呼び込んだ興行師的センスというか、
コピーライター的センスはエライ。前売り券
押し売り方式の▼川映画と比べると、
月とスッポンってとこだな。
この映画は、ずいぶんヒットしているっていうけどさ、
みんな
勘違いしているんだよな。映画の
出来じゃなくて伊丹監督の頭の良さにコロリと
だまされているだけ。
危ない言葉につられて映画館にいくと、
「人間、出世じゃない。いまのあんたが一番の幸福者だよ」
ってアタマをなでられる仕掛けになっている。
その仕掛けの種明かしをこれから、やってみよう
じゃないの。
オレに言わせれば、主役の芸者ナヨコ(宮本信子)は
「さげ●ん」、ナヨコに男(津川雅彦)を
奪われてしまう社長令嬢が「あげま◆」って
ことになるね。
だってさ、冷静に考えてみると、
物語の最期で、男がナヨコに引っかかったおかげで、
出世も名誉もカネも全部なくなって、単なる
ババアとの芸者と一緒になっただけで、どこが
「あげ●ん」だって言うの?
ひどい、「さげ●ん」だ、
ホントに...。
備考:この内容は、
1991-12-18
発行:太田出版
著者:ビートた●し
「仁義なき映画論」
より紹介しました。
(編集後記)
あの~、この書籍は、
タイトルもさることながら、
その内容が、どこまで、文字化UP
してもよいのやら、悩む点が
多いので、続くかどうか
心配です。
筆者が良くても、ジム局に、
削除される可能性も
ありますので...。
その場合、筆者もアップ、アップ
になりますので...。