【「わたし」という存在は、
他者によって形成される...】
落合さんが主宰する「クレヨンハウ
ス」には、国内外から多くの人が
訪れます。そこで生まれる人との絆、
あるいは、ときにストレスにもなりえる
「他者との関係性」について、落合
さんは、こう語ります。
「以前、米国の複数の保護施設に
取材に訪れたときによく見かけて、
忘れられない言葉があります。
「私の後ろを歩かないでください。
わたしは、あなたを、リードすることは
できないでしょうから。わたしの前を
歩かないでください。わたしは、
あなたに従うことはできないでしょうから。
私のすぐ隣を歩いて
ください。そして友達でいて
ください」。
これが、私が考える、他者との
関係性の理想そのものです。
さまざまな活動を通して多くの
人と出会う中で、対等な立場で
寄り添うことの大切さを実感したという
落合さん。それはまた、自分自身と
向き合うことと同義でもあるそう。
「冒頭の言葉は、他者との関係性を
表す一方で、「わたし」が「わたし」と
向き合うために大切なテーマでも
あると思うんです。
自分が意識する
「わたし」は、1人に思えるかも
しれないけどれど、実際はそうじゃない。
接する人によって違う「わたし」が
存在し、ある意味では、他者に
よって自分が形成されると考える
こともできます。
人との関わりの中で、
ある日突然、「こんな自分もいたんだ」
と気づくこともあるでしょう。
それは極めて自然なことで、そう思う
感性を大切にしたい。誰かにリード
されずに、誰かに何かを強要せずに、
自分の歩調で、歩いていきたいですね...。
備考:この内容は、
2024-1-18
発行:宝島社
「心が楽になる言葉、
豊かになる言葉」
より紹介しました。