撮影現場ルポ「90歳。何がめでたい」... | Q太郎のブログ

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90歳の孤独…それでも。ベストセラーエッセイ『九十歳。何が ...

 

 

「草笛光子生誕90周年記念映画」と銘打たれた「90歳。何が

 

めでたい」。芸歴74年目の名優・草笛が、実在する直木賞作家・

 

佐藤愛子の大ヒットエッセイを原作に、佐藤愛子役に挑戦。断筆

 

宣言を翻し、新たな読者をも魅了する鮮やかな筆致で、ベスト

 

セラーを生み出す、90歳の大作家を、いきいきと演じている。

 

 

 

 

 

草笛扮する愛子は、娘・響子(真矢みき)と孫・桃子(藤間爽子)

 

と同居している。今日この夫が単身赴任中のため、女性3世代

 

で暮らす設定だ。

 

 

 

 

 

実際の佐藤愛子邸をモデルに、東映東京撮影内に

 

建てられた、愛子の家のセット(美術=安藤真人)に、草笛、

 

真矢、藤間が初めて顔を揃えたのは、響子と桃子の初登場シーン。

 

 

 

 

 

断筆宣言後、何をするのも億劫がる愛子に、響子がつけつけと

 

物申す。

 

 

 

 

 

前田哲監督から「真矢さま、遠慮なくお願いします」と

 

演出を受け、真矢が手を叩いて急かすなどの動作を加えたり、

 

リハーサル直後、「あなた、いじめるの、うまいわね」と草笛が言えば、

 

 

 

「ごめんなさい、地が出ちゃって」と真矢が軽やかに応じて、

 

現場に笑いが起きる。

 

 

 

 

 

軽妙な2人のやりとりを見ていた監督が

 

「草笛さんは(小道具の)みかんが会話のテンポを妨げるので、

 

食べすぎないで」というと、「みんなでいじめるのね」と草笛が

 

ぼやき、スタッフからまた笑いがこぼれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九十歳。何がめでたい」場面写真 - 映画「九十歳。何がめでたい ...

 

 

 

 

 

九十歳。何がめでたいの上映スケジュール・映画情報|映画の時間

 

 

序盤のテンポのよい掛け合いが

 

「長生きするって、たいへんなのねぇ...」とつぶやく響子の

 

セリフを際立たせて、90歳の境地に思いを巡らせる。

 

 

 

 

 

シーンの後半には、桃子も加わり、「●にたい」と

 

うそぶく愛子に、「そういっても

 

強盗が入ってきたら逃げるでしょ?」と切り返す。

 

 

 

「逃げるどころか、この人は立ち向かうわよ」と

 

笑う響子が「ガォ~!」と

 

アドリブを入れると、桃子も乗ってリアクション。

 

 

 

 

「桃子の表情が可愛いので、私にだけ見せるのはもったいない。カメラに

 

向かってやろうよ」という真矢の提案から、動きを調整し、仲良し

 

母娘の、楽しいシーンに膨らんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生ってどの時代もしんどい。だから…」監督に聞いた!映画『九 ...

 

 

 家族の前では、片ナシでも、愛子は、歯に衣着せぬ物言いで、

 

”怒りの佐藤”と言われた猛者である。愛子に再び筆をとらせるべく、

 

編集者・吉川真也(唐沢寿明)が、初めて愛子の家を訪れた

 

シーンでは、選りすぐりの手土産を山ほど抱えて、堂々と現れた

 

吉川の鼻を明かす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

草笛光子、「私もう90歳?」自身の年齢に驚きつつ…年齢との ...

 

小気味よく吉川に詰め寄る愛子を、「意地悪ねぇ」

 

とこぼす草笛に、

 

『大作家然として、面白がって攻めましょう!』

 

と監督が盛り上げる。珍しくNGを出して恐縮する唐沢に、

 

 

 

「私がいやな顔をしているからよねぇ」と、草笛がさりげなくフォロー

 

する場面も。愛子にやり込められて、焦る吉川を見かねた響子が、

 

いよいよ助け舟を出す。響子にお茶を出されて

 

「ありがとうございます。いい香りですねぇ」と、矢継ぎ早にしゃべる吉川に

 

「いい香りですねぇ!」は、湯蓋を取ってから言ったほうが自然では?」

 

と監督が指摘すると、

 

 

 

 

 

「お茶にすがるしか仕方ない状況だから、

 

わざとフタを開けるより速いタイミングでセリフを出した」

 

という唐沢の説明には、監督も大いに納得。コミカルな芝居の中で、

 

それぞれのキャラクターが深くにじみ出るシーンとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2ページ目)97歳の女流作家、佐藤愛子が語る「苦しまずに死を ...

 

 大の犬好きとしても有名な愛子先生らしく、作中でも、別荘で

 

拾った愛犬ハチとのエピソードが描かれる。執筆に追われる愛子

 

の背中を見つめる、ハチのけなげな眼差しがせつない。そんな

 

ある日、ベランダのサンダルが片方しかないことに気づいた愛子と

 

桃子が、犬小屋を捜索。

 

 

 

 

 

サンダルをはじめ、いろいろなものを

 

小屋に隠していたハチを叱るシーンでは「ハチを強く叱って

 

ください」という監督に「私、そんなに怒れないんだけど...」

 

と草笛(本人も大の犬好き)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多様性やコンプラのせいで生きづらい?草笛光子が主演の映画の ...

 

 

 おすわりをして、叱られるのを待つハチ役の

 

犬を見て「うなだれちゃって、かわいそうに」と、ハチに

 

寄り添うように座りかけた草笛に「立ってください、邪険に扱って

 

いた設定なので、心を鬼にして」とすかさず監督。

 

 

 

 

 

 

「いい子にしてるのに、叱る理由がなくて困るわ」と、なおも抵抗する草笛に

 

「ハチを愛していることがっ伝わっちゃうから、犬には触らずに!」

 

 

 

 

 

「草笛さんのやさしさがでちゃうから、セリフを大きな声で!!」

 

など賢明に演出する監督だったが...。

 

 

 

 

 

 愛子とハチもとい、草笛と

 

監督の攻防を、笑顔で見守っていた藤間は、「おばあちゃんの

 

大ファンになっちゃいました!」と、スタッフ、キャストの

 

気持ちを代弁した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

草笛光子「ちっとも、めでたくないんですけどね、90歳」本音 ...

 

 それから数時間後、約2ヶ月間に及ぶ撮影を終えた草笛は、

 

ハチに舐められたメイクを直しながら、「犬に舐められ、監督に

 

舐められ、でもそれが楽しかったですね。遠慮会釈なく、気取らずに

 

いられて、あっという間でした。あともう2ヶ月ぐらい

 

やりたいわね」と微笑んで、場を和ませた。天性のエンターテイナー・

 

草笛の魅力がたっぷり詰まった、ユニークな主人公が誕生した...。

 

 

 

 

 

映画『九十歳。何がめでたい』|6月21日(金)全国公開

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

増補版 九十歳。何がめでたい (小学館文庫 さ 38-1) | 佐藤 愛子 ...

 

 

 

 

 

 

備考:この内容は、

令和6-6-20

発行:キネマ旬報

より紹介しました。