ポルノグラフティは、作年から
デビュー25周年イヤーに突入し、今年も
アグレッシブな活動が続いている。
今年1月から開催サれていた「19th
ライヴサーキット”PG wasn't built in a day"
では観客の声出しも本格的に
解禁となり、圧倒的スケールのステージ
で魅せた。
岡野> いろいろな苦しい時期を乗り越えた
んだという開放感からくる皆さんの
熱気は今までにないものでしたね。
そんなお客さんの良い表情や声を
感じながら、ステージに立てることは本当
に幸せなことです。
毎回、映像チェック
をする際、お客さんの涙している場面
をスクリーンに映し出すところで、
僕も泣いていました(笑)。
...そのツアーでは、最新曲「解放区」
も披露されたが、闇のような時代に、
その暗闇の中でも心を解き放てと、
鼓舞するファイティングソングは、聴く者の
心を強くエンパワメントするものだった。
新藤> 我々の世代は
高度経済成長の名残が色濃い時代に
育ち、今日より明日の方がよい日だ、
という空気を吸ってきました。
そういう価値観を捨てきれないままの今の
日本の状況を語ると「失われた何十年」
みたいな言葉になってしまう。でも、
その時間の中で生まれ育った方たちも、
そしてその時間にスッポリと入っている
ポルノのキャリアも、全然失われて
なんかないな、というのがこの曲の着想
でした。明日もいい日かもしれないけど、
今日だって最高だ、っていう。
...作曲を担当した岡野も、新藤の思い
と共振する。作年スペインに長期滞在し、
そこで生活する人々の「今を楽しむ」
という生き方に触れ。
岡野> 例えば、天気が良い、
料理が美味しい、友人、家族
といて楽しい...
そういうことを、より全力で
楽しもうとする感覚が、日本人の僕
からすると、新鮮で。
日本の現状は、そういう意味では
少し後ろ向きな空気が
あるような気がして、その閉塞感から
少しでも抜け出せるような
スケール感のある明快な楽曲を
作りたいと思いました。
...
現実をしっかり
見据えた、絵空事ではない応援ソング
は、ポルノならではのものだ。
そして25周年イヤーを彩る、
ポルングラフティ最大のトピックとして、
「因島・横浜ロマンスポルノ'24~解放区~」
の開催が発表された。
作年は「アビが鳴く」のリリースや、
厳島神社でのアコースティックライブ
もおこない、歴史への深い思いや郷土
愛を表現してきた。野外での大規模な
ワンマンは、2018年の「しまなみ
ロマンスポルノ」以来6年ぶり。まずは
故郷である因島でのライブについて
新藤> 「25周年に故郷でライブを
させてやりたい」というスタッフの
あたたかい思いから、このアイディアが
生まれました。
因島出身の我々から
すれば、島の交通事情を知るだけに、
思いもつかないことでしたね。この発表
を喜んでくれたファンの人たち、
そして因島の友人たちの気持ちに全力で
応えたいと思うばかりです。構成とか
そういうものを越えた「何か」を
残せればと思います。
岡野> 故郷に住んでいたときは、その景色が
当たり前で、その価値がわからずに
いました。離れてこそわかる素晴らしさがあり、
瀬戸内の環境は世界に誇れる
ものだと思うようになりました。
それを、知らない方に伝えたい、自慢したいと
いう欲がどんどん強くなっています(笑)。
その場所で音楽を表現することで、
故郷を誇りたいという思いがあります。
...因島、そして広島という故郷
についての思いを言葉にする。
さらにメジャーデビュー日と
重なる9月7、8日には、数々の伝説を
残してきた横浜スタジアムでの開催。
岡野> バンドをはじめた時に好き
だったガンズ・アンド・ローゼズの
ビデオにスタジアムでのライブ映像が
あって、それこそ擦り切れるほど
観たので、僕の中には「スタジアムでやって
こそロックバンドだ」くらいの思いが
ある(笑)。
なので横浜スタジアムでは
いつも夢の場所に立てているという
特別な喜びがあります。自宅に自分の
写真なんか飾る性分じゃない
けれど、唯一、飾ってあるのは横スタの
ステージに立つ自分のバックショット。
そのらい特別です。ただ、雨降らなきゃ
良いなぁ...(笑)。
...
そう、2008年の伝説的な豪雨のライブをはじめ、
横スタとポルノといえば、雨を
思い出すファンも多いだろう。
新藤> 横浜スタジアムは、スタンドの
作りからキャパが大きい側に一体感が
生まれやすいので、毎回楽しみ。
...
というとおり、この地でのライブは、やはり特別。
バンド史に刻まれる重要なライブに
なることは間違いない。
(インタビュー:杉浦美恵)
備考:この内容は、
2024-6-14
「HMV & BOOKS」
より紹介しました。