たけしの「仁義なき映画論」”クライシス2050”...その1 | Q太郎のブログ

Q太郎のブログ

パクリもあるけど、多岐にわたって、いい情報もあるので、ぜひ読んでね♥
さかのぼっても読んでみてね♥♥

クライシス2050

 

 

【たとえSFX技術に大金かけても

アポロの月面着陸にはかなわないぜ】

 

 

 

 

というわけで、4本目の映画だけど、

 

う~ん、暑い!

 

 

 

義理がらみ、人情がらみ、涙がらみに

 

弱いオレとしては、担当編集者のOボケ(注・

 

週間テーミスの担当編集者の愛称)が

 

涙まで流してさ...。

 

 

 

 

 

「この映画だけは、どうしても見てください。

 

だまされたと思って私のお願いを聞いてください。

 

首がかかってます!」

 

 

 

 

必●に頭下げるから、ついほだされて

 

人のいいところを見せてしまったんだな。これが...。

 

 

 

やっぱしだましやがったな。このボケ担当!

 

 

 

 

 

う~ん、暑い。怒るだけよけい暑く

 

なっちゃうぜ、このバカ担当。

 

 

 

 

 

昔の人はエライね。クーラーのない時代には

 

頭を使って、風鈴や打ち水を考える。そうかと

 

思うと、暑さのガマンくらべをやって ドテラ姿で

 

ナベ焼きうどんを食うなんていうバカをやる。

 

こういう発想の幅の広さで 暑さしのぎを

 

していたわけだ。やっぱり人間、

 

頭と発想が一番大切ってこと。

 

 

 

 

 

映画も同じで、要は想像力があるかないかなんだ。

 

いい映画なら暑気払いにもってこいなのに、

 

この「クライシス2050」を見たら

 

よけい汗が出てきちゃったぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え、とにかく、いくらカネをかけたSFXって言っても、

 

世界中の誰もが感動して喜ぶのは

 

アポロが月面着陸した映像だよ。

 

 

 

 

あれにはどんな映画も勝てっこない。

 

映像テクニックを凝りに

 

凝っても、実際に月まで行ってるヤツとは

 

勝負にならないよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TV】映画『メジャーリーグ』シリーズ3作を放送 OCTV 帯広 ...

 

 

 野球映画の「メジャーリーグ」が、

 

面白いっていってもさ、本物の大リーグを

 

見てたほうがいいに決まってる。

 

スポーツ根性ものの映画をやっても、

 

ワールドカップをTVでやられたら

 

終わりなんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岩のように動かない」マラドーナのキープの仕方とは | ジュニア ...

 

 

 マラドーナの迫力の前には

 

どんなサッカー映画も、ダメだよ。

 

アポロだって本物だからすごいんだ。アポロの中継なんて、

 

映像そのものは退屈だけど、みんなが何時間でも

 

じ~っと見つめてるじゃない? 映画じゃ

 

そうはいかないんだよな。

 

 

 

 

 

いまSFX全盛だけど、これからはすたれる

 

んじゃないの? いくらテクニック使ってバンバン

 

やっても、すぐに飽きるって。快感が鈍くなる

 

だけだよ。オレがよく言うけど、テクニシャンの

 

プレーボーイがやる●●●よりも、山の飯場で

 

2ヶ月働いたあとの土方の▲▲▲のほうが強烈、

 

絶対に気持ちいい。

 

 

 

 

 

SFX映画もネタ切れになっててさ、

 

「ブラック・ホール」なんてのまで作られて、そんなもの

 

どうするんだよ? 絵になんかならない。

 

ブラックホールだから、ただ真っ暗だもん。真っ暗の中で、

 

「ウーッ すごい重力だ!」なんて叫んでいる。

 

そんなことありえないって!

 

 

 

 

 

原子核の周りの

 

電子までつぶれちゃうようなところに人間が

 

入っていって「ウーッ!」なんて言えるわけがないよ。

 

どう考えても...。

 

 

 

 

 

 

おまけに、ブラックホールに

 

突入したヤツが、ホワイトホールに抜け出てくるって

 

いうんだから。いい加減にしろって。まあ、

 

みんな苦労しているんだろうけど、そこまで

 

やられちゃまらないよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異常さとバイオレンスに満ちた「マッドマックス」シリーズ 荒廃 ...

 

 

 この「クライシス2050」は「マッド・マックス」と

 

「エイリアン」の一部を取った感じがしないでも

 

ないんだけど、でも、そもそもの話、脚本が

 

バランバランの首なし●体。物語の流れを4つも

 

5つも作ってあるから、まとまりようの

 

ないシナリオになっちゃってる。それを無理やり勧善懲悪

 

物語の枠に押し込みやがってさ、これで

 

いま時の映像とテクにすれているガキをだまそうと

 

したって、そうは簡単にいくわけない。

 

 

 

 

 

 だいたいの話、SFX映画っていっても、

 

「2001年宇宙の旅」のような例外を除いては、

 

大きな誤解をしているね。メカをどれほど

 

リアルに撮ったとしても、客は喜ばないんだよ。客の

 

想像力を刺激しなきゃどうしようもない。

 

そのためにどうするか?ってことが監督や脚本家の

 

腕っていうもんだろ。SFXといっても、映画は映画なんだからさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦う女の一代記!「エイリアン1〜4」(276〜279本目) | 映画味オンチ

 

 

SFX関係の人を知らないから山勘でいうと、

 

あれ、作ってる人たちって保守的というか冒険心

 

のない連中なんじゃないの? それに、

 

ホントはテクノロジーとかメカニックってことをよく

 

知らないでやっているんじゃないの? どうも

 

そんな気がするね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説】映画『レッド・オクトーバーを追え!』ショーン・コネリー ...

 

「レッド・オクトーバーを追え!」もそうだけど、


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駄作】クライシス2050_映画の出来がクライシス(ネタバレあり ...

 

 

 

 この「2050」でもコンピューターってもの

 

をわかっていないとしか思えない。

 

 

 

 悪徳資本家の手先が 宇宙船にいろいろ妨害工作する人だけれど、

 

筋の通らない工作ばかりだよ。事故を起こさせては、それを直す。

 

ってことで、ドラマを作っていく段取りはいいとしても、故障した

 

コンピューターをあれこれいじって「はい、直りました」てのは、

 

おかしいんじゃない? だってコンピューターってのは、

 

制御の役目なのであって、装置が機械的に故障

 

したら、メカニズム自体直さないと、直った

 

ことにならない。

 

 

 

工学部中退のオレとしては、そこに

 

こだわっちゃうよ!

 

 

 

 

 

 

 

つづくかも...?

 

備考:この内容は、

1991-12-18

発行:太田出版

著者:ビートたけし

「仁義なき映画論」

より紹介しました。