【軽く楽しむか、ヘビーに行くか?】
阪本> 今回は、同ジャンルの大小機種2台を
比較し、検証することになりました。我々は
ZR-7とZRX-1100です。
山田> 両車は、750ccと1100ccの排気量で、
同じネイキッドだけど、乗ってみると、かなり、
違いがはっきりしていた。
阪本> エンジンは空冷2バルブと水冷
4バルブだし、エンジンの開発年度も
ずいぶん違う。
山田> ZR-7用エンジンの元祖は、
ザッパー(Z650)だけど、
基本はゼファー750の発展型。
ZRXは最新型水冷マルチ、ZR-7は、
最初単純にゼファー750を、今風にしたモデルと
見てたけど、走って見るとなかなかいい。
カワサキらしからぬ、まろやかな走行感で、
エンジンもかなり下からついてくる。
パンチはそこそこだけど、
750なりに十分パワフル。
阪本> カワサキらしからぬという部分、僕も
感じます。カワサキの代表機種のイメージ
って、良くも悪くもどこかラテン的。でも、
ZR-7は低速の出方も意識的に扱いやすくして、
スマートにまとめている。
高回転の伸び切り感は、
わりと薄いけど、低中速はよく粘る。
同じベースエンジンのGPzオーナーとしては、
うらやましい面も、そうでない面もある(笑)。
山田> 低中速のパワー感は、日常使う状況で
すごく有効だった。高速はともかく、低中速
コーナーの連続では ZRXより、乗りやすかった。
しかし、ゼファーよりずっと洗練された走り...。
阪本> 要は、ZR-7は、ゼファーとZRXがあって、
その中間を埋めるものであると...。
山田> しかも750ネイキッドのイメージを刷新
したいというイメージも感じる。
阪本> 一方、ZRXは、発売した'07年初め以降
好セールスを記録しているモデルです。
山田> ライムグリーンと、スイングアームに
代表されるローソンレプリカイメージ。
スタイルも走りも硬派なカワサキイメージだね。
阪本> ZR-7とZRXって、結論を言うと、じつは
似てませんね。ZRXは完全にカワサキ
スポーツ路線。
ZR-7は、もっとソフトで洗練された
オーソドックスネイキッド。コミューター的
性格とも言えるかな。
山田> そうだね。でもZR-7は、ZRXほど、
ガチガチのスポーツではないけど、現代レベルの
スポーツ性は、きっちり押さえてある。これなら
大型2輪の免許を取ってすぐに乗っても、
自然に普通2輪より上のパワーを味わえる。
阪本> そうですね。しかもゼファーに比べて、
このままいじらないで乗ってくださいよ
という匂いを感じます。
それも従来のカワサキ車と
違う部分かな? ところで、ZR-7のライバルと
なると、GSFやCBの750
でしょうね?
山田> だろうね。ただ従来の2台は形とか
色とかすごく地味だった一方、コレはわりと
華がある。カラーリングも発色のいい色使って
るでしょ。だから、ナナハンスタンダードの
なかでも 意外と目立つし購買欲をそそる...。
つづくかも...?
備考:この内容は、
平成11-6-15
発行:八重洲出版
「MOTOR CYCLIST」
より紹介しました。