神様はわたしたち人間に2つの
チャンスをくださいました。1つは、男に
生まれること。
もう、ひとつは、女に生まれることです。
女性に生まれた人には、さらに
2つのチャンスをくださいました。1つは、
きれいに生まれること。
もうひとつは、
きれいでなく、生まれることです。
きれいに生まれた人は恵まれています。
都会の雑踏をスタスタ歩いていても、
田舎のあぜ道をトボトボ歩いても、
北に上っても、南に下っても、右を
見ても、左を見ても、
みんながチヤホヤしてくれます。
そこにいくと、奥様、ア~ア、
それはそれ、あれはあれ、チヤとも、
ホヤともされない人生を歩んできたことと、
ご同情申し上げます。
でも、いいのです。人生後半は内蔵勝負。
外見なんて、どうでもいい。
その顔で十分。ついているだけでありがたい。
そう思わなくてはやってられません。
あら? きみまろさん、ずいぶんじゃない。
これでも若い頃は、銀座の通りを
ブイブイいわせていたものよ。
失礼しちゃうわね。まったくもう...。
奥様、たしかに、わたしは何も
知りません。鹿児島の田舎に生まれ落ちた
私は、子ブタと戯れることはあっても、
きれいなお姉さまと戯れたことは一度も
ございません。清く正しい少年期を
過ごしたわたしには、無縁の大人の世界が
あったのですね?
でもね、奥様、私が知らないと
思って、勝手なことをおっしゃって
ませんか? 銀座の若い男はひょっとして、
ブイブイいわれていたのではなく、
ウンウンうなされていたのではありませんか!?
わたしには、そう思える今日このごろ
でございます。過ぎた発言がありましたら、
衷心よりお詫び申し上げます...。
あらあらあら? 今日のきみまろさんは
いつにもましてずいぶんじゃない。女を
敵にまわすと、後がコワイわよ。
毒舌は、わたしのウリでございます。
どうか、このズッポリかぶれるカツラに
免じてサッパリご容赦を...。
寛大な読者のみな様のお心に
感謝しつつ、図に乗って、もうしばし、毒舌を
お叱り覚悟で申し上げます。
さて、昨今、思うことがございます。
それは、はたして世のおばさま方は、
本当に女性なのでしょうか?
ということです。
わたくしには、時に男性では
ないかと、思えてしまうことがあるのです。
で、そこまでいうの!?
きみまろさん!
女にケンカを売る気ィ~!?
ほら、だから先に申し上げたのです。
お叱りを受けることを覚悟していると。
でも、お許しくださいネと。
相矛盾することを
申し上げてしまうほど、わたくしも
おばさま方のパワーに圧倒されて
いるのです...。
備考:この内容は、
2009-4-17
発行:PHP研究所
著者:綾小路きみまろ
「妻の口 一度張りたい ガムテープ」
より紹介しました。