ダンナさんのライバルは、いまや
ペットでございます。
私の友人の友人の知人に、
糖尿病の男性がいます。その男性の飼い犬も
糖尿病で、仲良く通院しました。
でも、通っている病院は、
まるで違います。
ご主人が通院しているのは、場末の
スナックかと見違えるほどの、
壁にヒビが入った、町はずれの病院。
片や、ワンちゃんが通っているのは、
最新の設備が整った某国立大学の
動物医療センター。
ご主人は、歩いてトボトボ通院。
ワンちゃんは、奥様の運転する車に
乗って、楽ちん通院です。
犬なのに、歩きもしないから。
糖尿病になるのです。...と、お思いのあなた、
そのご意見は、とてもまっとうです。
しかし、平成のご主人も、運動不足は
おんなじです。車社会にどっぷり
浸かって、1日に歩くのは、五十歩百歩。
治療の効果は、あまり芳しく(かんばしく)なく、
2人(?)とも、それぞれの病院に
入院することに...。
それで、かかった費用は、ワンちゃんの
ほうが、ずっと高かったとか。
おまけに犬は、よくなったけど、ダンナの症状は、
いま1つ。
ダンナは犬にも負けて
しまうのです。
若い頃は、分厚いビフテキも何のその、
赤ワインと一緒に、豪快に
平らげました。
あれから、40年。今では、セロリにパセリ、
リンゴにニンジン、ジャガイモ、
サツマイモ、ムラサキイモと、何でも
刻んで食べるようになりました。
若い頃は、最寄りの駅まで、
大股歩きで13分。
あれから40年。距離は変わらないのに、
なぜか、最寄りの駅まで30分。
糖尿病仲間の犬も、ときどき立ち止まります。
女房に負け、子どもに負け、犬に負け、
それでもがんばる 一課の主(あるじ)。
頑張って頂きたいのです...。
備考:この内容は、
2009-4-17
発行:PHP研究所
著者:綾小路きみまろ
「妻の口 一度貼りたい ガムテープ」
より紹介しました。