ミーッキー・カーチス主演の短編映画
「運命屋」が10月25日、クランクインした。
ミッキー演じる元ミュージシャンは、”人生
において一番大切なものとは何か?”
を、いまも考え続けている。
その姿に映画と
音楽の世界を行き来しながら走った
彼自身が、二重写しに見えるのだ。
”オレは現在進行系”というこのミュージシャン俳優が、
日本の戦後芸能史と まるまる重なる
これまでと、いまを語った...。
「ミッキー・カーチス」
おれはメジャー思考でもないし、
カネでもない。
新しいか、おもしろいかだ。
その人の流儀はこうだ。
2012年に出版された自伝『おれと戦争と音楽と』(亜紀書房)
をまず紐解いてみよう。
「作品選びの基準はメジャー思考でもないし、カネでもない。
新しいか、おもしろいかだ。」
「明日どうしようなんて、いまも考えない。
目の前にやってきたコトが
面白そうだったら、
とりあえずやってみる。それは、
18、19歳ぐらいで
『ドンドンやっちゃおう』と言っていた
ころと、全然変わらない。
音楽も映画も舞台も落語も、
そうやってきた。
どんなことでも
自分がやったのが『日本ではじめて』
というのは、とても気持ちがいい」
つまり、常に”いま”が旬...。
現在85歳のその人、
ミッキー・カーチスは最新形の
我が芝居と歌を記録するため、主演短編映画『運命屋』に
挑んでいる(森田と純平監督/
2024年公開予定)。
80代の住処として選んだ北海道・名寄市でのオールロケ。
”人生において一番大切なものは何か?”
を自身に問う元ミュージシャン役。
また、ミッキーさんは
スタッフとして、
音楽プロデューサーも兼任するという。
振り返れば65年前、1958年5月に映画初主演した岡本喜八
監督の「結婚のすべて」でも
歌手役、いや、ミッキー・カーチス本人と
見紛うような”おれはおれ”という強烈で
独自の空気をまとった存在だった...。
【「異才」岡本喜八との出会い1...】
同年2月、19歳でレコード
デビューし、同時期に開催された
「第1回日劇ウエスタン・
カーニバル」のライブパフォーマンスで
一躍時代の寵児に...。
マスコミは
平尾昌晃、山下敬二郎と共に、
”ロカビリー3人男”と名付けた。
そのさなかに作られた「結婚のすべて」
の終盤、ミッキーさんは、
ジャズ喫茶のステージで、バックバンド
を従え、(ウェディングロック)
を披露する。
主演:雪村いずみが
日本語で歌った主題歌の
英語バージョンだ。
左から、
雪村いずみ、
美空ひばり、
江利チエミ
備考:この内容は、
令和5-12-20
発行:キネマ旬報
より紹介しました。