【アイオニックは世界観が新鮮。
XC40は、お国柄を前面に出す...】
では、日本にとっても中国に
とってもお隣の国、韓国のヒョンデは
どうだろう?
テスラもBYDもお国柄
というより、メーカーのポリシーが
製品に投影されており、アイオニック 5
もその類。
このEVのウリは
質の高いデザインと、そのデザイン性の
高さが打ち出すSDGs的な
世界観だ。
環境に対する意識の高さを
表現する手段のひとつとして、この
クルマを選ぶというような...。
もちろん、デザインに惚れて選ぶ
というストレートな選択もありで、
その価値は十分にある。
エクステリアの
デザインテーマは、「パラメト
ックピクセル」。
画素の最小単位を
用いた規則的な並びを工夫し、
デジタルな表現をしながら昔、懐かしい
アナログ的なムードを醸し出している。
そのテーマを象徴するのが、リヤ
コンビランプのグラフティだ。
「今までの自動車のデザインから離れ、
新しいEVのデザインを定義したい」
という意思が表現されている。
インテリアは、クルマの室内という
よりハウスリビングの印象で、
狙ってそう設計している。日産アリアも
そうだが、HVAC(空調ユニット)
を車室側から外に押し出すことで、
前席足元に広い空間を確保した。
アリアを含めて採用例は増えているが、
タブレット端末を立てかけたような
バイザーレスのメーターは新鮮さを
失っていない。
ATTO3と同様、ウインカー
レバーを右側に配したのは、日本の
ユーザーの使いかってを思いやっての
こと。
パドルをもたないEVが多い
なかで、パドルで回生ブレーキのレベルと
モードを切り替え可能なのは、
アイオニック5の特徴で、特定のモード
選択時に回生ブレーキで完全停止
するのも、このクルマの特徴だ。
(今回の試乗車では、ほかにモデルYがそう)。
これまでの3台とは対照的に、
お国柄というか地域柄を前面に押し出して
いるのが、ボルボXC40リチャージだ。
ボルボは北欧スウェーデンの
ブランドである。(親会社は、
中国のジーリー)。
イッタラ(フィンランド)
の食器が好き、フリッツ・ハンセン
(デンマーク)の家具が好き、マリメッコ
(フィンランド)の服が好き、
北欧デザイン全般が好き
(筆者もそのひとり)のような人にとっては、
XC40リチャージのデザインとは
波長が合うに違いない。
室内で北欧らしさを象徴するのは、
ダッシュボードやドアパネルに
張られたフォトグラフィパネルだ。
明るいところでは単なる樹脂パネルだが、
ヘッドライトと連動してLEDの
バックライトが点灯すると、様相が
一変。
等高線の模様が浮かび上がる。
オーロラの観測地としても有名な
スウェーデンのアビスコ国立公園の
等高線だそうで、そうと知ると幻想的な
ムードで、室内が満たされる
トンネル内や夜間の走行が楽しくなる。
ムードだけではないのがXC40
リチャージを含むボルボ製EVの特徴で、
Googleアシスタントを
標準装備。
「OK、グーグル」の声掛けで、
クルマの機能やエンター
テイメント機能を使いこなすことが
できる。
そうした先進的な一面をもち
合わせているのが、このクルマの特徴。
OTAのソフトウェアアップデートに
対応しており、インフォテイン
メントシステムを 常に最新の状態で
使うことができる
のも魅力だ...。
備考:この内容は、
2023-12-9
発行:三栄
「モーターファン別冊 2024年・
最新EVのすべて」
より紹介しました。