「無重力猫ミルコのお家」
【最高の遊び場は、
アイデアいっぱいのDIY】
宙を舞うように華麗にジャンプする
姿が人気を呼び、写真集に
もなった「無重力ミルコ」。
Xのフォロワー13万人の
「無重力ミルコのお家」を発信する
”中川ちさ”さんは、ミルコをはじめ、
5匹の飼い猫ののために自宅を
DIYで大改造。
遊び心いっぱいの
キャットウォークや、トンネルが
SNSで話題となっている。
そんな興味深いご自宅を
拝見させいていただいた。
(文・写真 八ニ一)
「写真家 八ニ一」の紹介
「天井のキャットウォークを
悠々と歩くレオン(10歳オス)
【はじめての猫は
なかよしきょうだい】
中川さん夫婦は、17年前に
新築の注文住宅を購入し、家が
完成したら、犬か、猫を飼いたいと
考えていた。
そんな話を周囲にして
いたところ、ご主人の知り合い
から、自宅で子猫が生まれて、里親を
探している人がいると
声をかけられたそうだ...。
「猫を飼うのは、はじめてだったので、
最初は、女の子1匹だけの
つもりだったんです」
実際に見に行くと、
子猫は、2匹いた。
女の子の「ピーチ」は、とても
怖がりで、その場から逃げ出して
しまい、みんなでピーチを探している
ときに、ダンボール箱の中で
ちょこんと待っていたのが、
「うしお」だった...。
「私が抱っこしても平気で、
男の子だったけど、この子も、まだ里親が
決まっていないと言われて...。」
なかよし2匹を引き離す
わけにもいかず、ケージはひとり分?
しか持っていなかったが、小さい
子猫を2匹、入れて帰ってきた。
その後、ベンガルのレオンも
加わり、やんちゃな猫たちを庭で
遊ばせていたところ、塀を飛び越えて
隣の家に行ってしまった。
しまった、しまった、
島崎和歌子。
困った、困った、
小松未歩。
「もう、庭では、飼えないと思って、
完全室内飼いすることに
しました...」
「透明アクリルを使用したスケルトン
キャットウォークで、ミルコ(8歳オス」の
肉球がバッチリ」
「うしお(11歳オス)を
抱っこする中川ちささん」
そこから、夫婦のDIYが、
はじまった。
【猫の気持ちになってDIY...】
主に、アイデアや希望を出す
のは「ちさ」さんで、実際に構想を
練って作り上げるのは、ご主人
の担当だ。
「壁に開いたトンネルに
吸い込まれていくミルコ。
2階につながっている」
【猫たち、それぞれにお気に入りの
場所がある。ここは「うしお」と「レオン」の
定位置。】
頭隠して、
尻隠さず。
チンじつは、
いつも1つ...。
ご主人が、はじめて作った
階段型の本棚。
安全性を考えすぎて、
クギを使わず、ほぞで
組み立てたという作品。
「扉の取っ手には、ネコ型の
飾りが。1つひとつの
手作業でくり抜いた。」
とっても、いいわ~と、
ネコたちには、
もっぱらの評判だ。
猫たちに十分な運動をさせてあげたいと、
一番、最初に作ったのは、
階段状になった本棚。
それまで、ご主人は、DIYの
経験はなく、これが、はじめての
作品だったという、
SNSの動画で、
腕前を拝見する内に、てっきり本職の方
なのか? と思っていたので、驚いた。
「失敗も、いっぱいしましたよ」
と、ご主人。
週末DIYで、作品が1つ
ひとつ増えていくにつれ、工具も
1つひとつ揃えていった。
プロと感じられる腕前は、
10年という歳月の賜物だった...。
天井に、張り巡らされた
キャットウォークは、1階から2階へと
つながっており、ループして
走り回れる構造だ。かわいらしく
デザインされたコースは、まるで、
猫の遊園地のようだ。
「小さい家なので、階段を登ったら
行き止まりです。そこで、壁にANAを
開けてつなげたら、ずっとぐるぐる
回れるなぁ、と、思って」とご主人。
新築の家に、ANAを開けることに
躊躇(ちゅうちょ)はなかったという。
猫たちは、ご主人との
追いかけっ子が大好きで、遊んで~と
誘いに来る。ご主人は、猫を追いかけて、
みんなで走り回る大成功の
アトラクションとなった...。
DIYの構想は、猫たちの
気持ちになって考える。
「猫が、こういう風に動けたら
いいな...と想像して、実際に実現
できるように逆算して作って
いきます...」
もちろん、安全性も第一。
慎重すぎるぐらいに、しっかりと
作っている。
透明な椅子の上に猫が乗って
いるときに、下から肉球が
見えることに気づき、椅子の下に
潜り込んで写真を撮った。これを、
キャットウォークにしたいと、
考えた「ちさ」さん。
透明なアクリル製のスケルトン
キャットウォークが誕生した。
猫好きには、たまらない悶絶
ものの、眺めである...。
猫たちに大好評だったのは、
柱にロープを巻きつけた登り棒だ。
両手で抱きついて、一気に
駆け上がる。
「登り方もだんだん上手くなって、
女の子の”ピーちゃん”は苦戦
していますが、男の子はみんな
スイスイ登れます...」
アイデアを実現できるだけなく、
好みのデザインにできる
ことも、DIYの醍醐味だ。ご主人
作のキャットウォークもテレビ
ボードもすべて統一感のある
デザインで、猫用と人用の家具が
つながりを持って調和している...。
【猫の快適さと、
人の利便性の両立...】
「ちさ」さんは、少しでも、猫たちの
ことを知りたい、正しい情報を
伝えたいという思いから、愛玩動物
飼育管理士と、ペット共生住宅管理士の
資格を取った...。
猫は、爪を研いで、壁や家具を
傷つけてしまうという悩みは多い。
爪とぎ対策は、ガードする
ばかりではなくて、
爪とぎをするスペースを作ってあげたり、
好みに併せていろんなタイプを置いて
あげる必要があるという。
ストレスが解消されれば、問題行動も
なくなる。
「猫の快適さと、人の利便性を
考えて、両方がwin-winになる
ことが大事だと思います」
現在は、末っ子の「ロッケ」も加わり、
猫たちが、DIY作品を楽しそうに
使っているところがまた、
中川家の魅力である。
「うしおと、ピーチは11歳、
レオンとやミルコも、シニアに入る年齢
ですが、まだまだ元気でいてくれて
うれしいです。」
「うれしいです!」
ストレスのない環境で、元気
いっぱい過ごす猫たちの姿は、
見る者にも、幸せを与えてくれる。
猫のためのアイデアが、
尽きない2人の、これからの
DIYが楽しみだ...。
備考:この内容は、
2024-1-1
発行:辰巳出版
「猫びより」
より紹介しました。
「猫の尻に
敷かれています」
気を遣い
妻を目で追う
オレとイヌ
(ナイツ T)