「アンドロメダ」 （1971年）アメリカ
生存者は、アル中と赤ん坊、
恐怖の最近サスペンス！
初見は、まだ学生の頃で、たしか
TVの洋画劇場だったと記憶する。
一部では、地味な作品と評論する人が
いるが、大変面白かった。その後、
何度も、映画ソフトで見直したが、
評価が変わることはない。
地下研究室の閉鎖的世界で、
未知の細菌を解明しようとする
科学者たちの姿を5日間にわたって
ドキュメンタリータッチで描いた
ハードなSFドラマ。
マイケル・クライトンの
原作小説『アンドロメダ
病原体』からして記録報告書の体裁
を採っているため、映画版は映像
を丹念に積み重ね、まるで映像を
記録していくような手法でリアル
さを追求。さすが老獪な
ロバート・ワイズ監督で、まだまだ腕は
錆びついていなかった。
ニューメキシコ州の田舎町に
人工衛星が墜落し、衛星に付着
していた未知の細菌により町が全滅。
助かったのは。泣き叫ぶ赤ん坊と
アル中の老人の2人だけだった。
まもなくワイルドファイア計画が
発動され、ワイルドファイア計画の
メンバー3人と、他に1人を
加えた4人の博士が消臭され、地下
にある隔離施設で最近を
研究することに鳴る...。
●んだ感染者の血液が、なぜ凝固
スルのか？ 2人が生き残る
ことができたのは、なぜ？最近の
正体を徐々に解き明かしてゆく過程は、
謎解きミステリーのような
好奇心をいざない、全編に張り詰めた
空気が最後まで、ゆるむことはない。
ギル・メレのシュールな
ミニマム風な機械的な音楽は、ときに
神経を逆撫でしつつ緊迫感をあおる
ような効果を発揮し、一度聴けば、
しばらくは頭にこびりついて
離れないほどだった...。
ちなみにワイルドファイア計画
とは、地球外生命体を確保した
場合、その生命体を研究・解明する
ことで、その脅威が外部にモレル
ことを防ぐための計画。
参加した4人は、
ヒーロー然とした人物とは
程遠く、おじさんやおばさんみたい
な親近感と人間らしさを
感じさせ、
更に、研究過程を通して、
1人ひとりの性格や個性が見えてくる。
このあたりは原作よりも、
映画版の方がストレートで伝わり
やすい。
それと、ワイルドファイア計画に
所属していない科学者を
１人参加させた理由に思わず納得。
「オッドマン理論」といって、専門外の
人間を1人入れることで、より
貴重な研究成果が得られるという
仮説である...。
映像の派手さでいえば。●自爆
装置が作動する場面が一番だろう。
汚染が想定以上に達すると自動的に
▲自爆装置のスイッチが入り、
5分後に、大爆発するよう
セッティングされている。
そこで、■自爆装置を
解除するためにコアに侵入した
博士を、異物と感知したコンピューター
制御のレーザー光線が狙い
撃ち...！
この特殊効果を
『2001年宇宙の旅』（68年）や
『サイレント・ランニング』（72年）の
ダグラス・トランブルが手がけた。
それまで静かちゃんで上質なサスペンス・
ドラマを醸成していたが、
ここだけがアクション・サスペンス
風に急転し、メリハリ
を効かせた
動的な見せ場に
なっていた。
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なお、08年に同名原作をTV
ミニシリーズ化した
『アンドロメダ・ストレイン』が製作された...。
（鷲巣）
「アンドロメダ・ストレイン」
1971年 アメリカ
原作＝ANDROMEDA STRAIN
監督：ロバート・ワイズ
出演：アーサー・ヒル
デヴィッド・ウェン、
ジェームズ・オルソン、
ケイト・リード、
ポーラ・ケリー
130分
DVDジュネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
備考：この内容は、
2012-8-21
発行：洋泉社
発行人：江澤隆志
編集人：松崎憲見
洋泉社MOOK 映画秘宝EX
映画の必須科目03
「～異次元SF映画100～」
より紹介しました。
