絶対あってはいけない 言い間違いだが、
やってしまった。
そんな実例が、落語家「立川談四楼」さんの
著書『もっと声に出して笑える日本語』に出てくる。
某社で、社員を集めた決起集会があり、
営業本部長が演説した。
不況だが、力を合わせようと声を張り上げ、
「みんな、一糸まとわぬ団結心で頑張ろう!」。
その後に、登壇した社長がまたやった。諸君、もう後戻りは
できないぞと、言いつつ
「すでに、匙(さじ)は投げられたのだ」。
会社は、大丈夫か? とみんな思ったに違いない。
一昨日の話で、あきれたのは、自●党の
2F幹事長の「他山の石」発言である。
衆議院議員●井●行議員が裁判で、買収行為を問われた
ことについて、
「党としても、こうしたことを、他山の石として
対応しなくてはならない」と言った。
買収の舞台となった一昨年のサンイン戦で、
2人目の公認候補に●合●里氏を擁立したのは
自●党本部。
その●里氏側に1億5千万円を提供
したのも、党本部である。党の後ろ盾なかりせば、
あれだけの買収ができたのかどうか?
恥ずべきは、「自分の山」そのものだろう...。
2F氏には最近、乱暴な言葉が目立つ。
首相を含む多人数うの会食が問題になると、
「会食を目的に会っているんじゃない!」と反論した。
食事だけが目的の会は、あまりないと思うが...。
テレビ番組に出て、コ●ナ対策を問われると、
「いちいちケチをつけるものじゃない」。
そんな幹事長が長く保てるのは、
一糸乱れぬ団結が、自●党にあるからか?
見ているこちらが、匙を投げたくなる...。
備考:この内容は、
2021-9-30
発行:朝日新聞出版
著者:朝日新聞論説委員室
「天声人語」
より紹介しました。