（OWNER）片岡英明さん...
クラシックカーからスポーツカーまで、
幅広いジャンルに精通する
モータージャーナリスト。
新車レポートは、
「ユーザーの目線に近い
わかりやすい評論」が身上。
ここがお気に入り！
リヤ駆動らしい気持ち良いハンドリング
ここがちょっと...
荷室が狭いのに後席が分割可倒式でない。
気持ちよく走れる乗り物が好きなことに
加え、新しいメカニズムにも興味がある。
だから舘内端さん率いる「日本EVクラブ」の
お手伝いをしたときに、バッテリーEVに興味を持った。
今から20年も前のことだ。衝撃だったのは、
電動レーシングカートで、刺激的な加速
フィールと低重心の安定感に驚愕した。
最初に買ったのは、「BMW i3」。アルミの
フレームとカーボンのフロア、FRP製のボディを
見て、ひと目惚れ。レーシングカーと同じ
精造だったし、環境保全にこだわった生産方式
にも共感した。
買ったのは、エンジンを使って
発電する「レンジエクステンダー」だったが、
月に1,000kmのペースで乗り続けた。
初期モデルだったこともあり、小さな
トラブルには何度か見舞われた。電欠スレスレの
スリリングなドライブも何度か経験している。
が、モーターとバッテリーは、8万km走っても
ノントラブルだった。次の愛車を選ぶ時、
家族からのリクエストは、「静かで快適、
そして運転しやすいサイズのEVだ。
「プジョーe-208」や「フィアット500e」などと悩んだが、
選んだのは「ホンダe」である。
全員がキュートなデザインにノックアウト
されたのに加え、V2HとV2L機能を備え、
蓄電池として利用できることも決め手となった。
電池容量は少ないが、ボク以外は街乗り中心
だから不安はない。
ボクも構造距離約200kmで
EVライフを満喫できるのか、という難題に
挑戦できるいい機会になる、と考えた。
「ホンダe」の最大の魅力は、気持ちいい
ハンドリングと冴えたフットワークだ。後輪駆動で、
前後異サイズタイヤだから操る楽しさに
満ちている。
また、回生ブレーキを上手に使えば
下り坂もラクに走れる。軽自動車並みの
取り回し性のよさも特筆できるところだ。
多くの人が気にするのは航続距離だろう？
「ホンダe」は、一充電で200kmくらいしか走れない。
が、
家族は定期的に休めるので、不満は無いという。
ボクも慣れっこになり、あらかじめ
充電設備の場所や充電能力を調べておけば
残量5%までは、慌てなくなった。電費は運転の
仕方で大きく変わるから、ゲーム感覚で
電費のデータを楽しんでいる...。
【満足度 85点】
「ホンダe」は、万人向けではないが、街なかベストの
EVと割り切れる人には満足度の高い1台になる。
今なお注目度は高く、ペットのような存在だ。
ただし、小さな高級車ではないし、ホンダの
売る気がない（？）のも
残念なところ...。
備考：この内容は、
2023-12-9
発行：三栄
「最新EVのすべて」
より紹介しました。
