このホラーは、ひとりで夜、読まないでください「夏の終り」...その1 | Q太郎のブログ

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パクリもあるけど、多岐にわたって、いい情報もあるので、ぜひ読んでね♥
さかのぼっても読んでみてね♥♥

 

 

 

 

 

悲鳴が漏れる?

 

一人で夜、読まないでください

 

「夏の終り」 

 

 

 

 

 

 夏が終わらない。

 

俺は、ひとり、道を歩いていた。

 

突き刺すような陽光で、アスファルトの地面が

 

ギラギラと光り、俺の網膜を刺激する、

 

身体が熱い。

 

 

 

 脳をかき乱す。溶けた脳が汁となって、

 

吹き出す。陽炎で景色が揺れる。

 

景色が歪む。俺の心も歪む。悲鳴を上げる、

 

 

 

...誰でもいい。誰でもいいから、

 

●させてくれ...。

 

 

 

 はじめて「命を奪うこと」を覚えたのも、

 

暑い夏の日だった。ではなく、

 

熱かった。身体も、心も、脳ミソも。

 

沸騰しそうに熱かった。

 

 

 

 だから、俺は、地面を這い回るアリを、

 

指で潰した、それで、どうなるかなんて考えて

 

いなかった。ただ、本能的に、つぶした。

 

 

 

 スッとした、身体中から熱が引き、

 

清涼感に包まれた。

 

 

 

 いや、清涼感などという生易しい

 

ものじゃなかった、数日間漂流し、極限まで

 

乾いたのどに、氷水を流し込んだような、快感、

 

悦楽、恍惚...。

 

 

 

 俺は、夢中になって地面を卑しく

 

這うアリを、次々につぶした。きっと、そんときの俺は

 

随分とほうけた、間抜けな顔をして

 

いたんだろう...。

 

 

 

ふっと、身体が浮いた。

 

 

 

「なに、やっているの?」

 

 

 

先生の尖った声が、耳元で聴こえ、

 

俺は、ゆっくりと、顔を向けた。

 

 

 

 20歳か、そこらの幼稚園の女性教諭は、

 

怯えるような、汚物を見るような目で、俺を、

 

見ていた。震える声で「ダメでしょ!」

 

と、再度、咎めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は、何が「ダメ」なのか、わからなかった。

 

人指し指の先に、産毛を撫でられる

 

ような感触があった。胴体が、ちぎれかけ

 

けがらわしい汁を流しながら、醜くうごめく蟻が

 

引っついていた、俺は親指を、押し付けた。。。

 

プチリと、心地よい音がした。

 

 

 

 長じて、意味もなく、食べるためではなく、

 

他の命を奪うのは「ダメ」なのだと

 

学んだ。でも逆に言えば、食べるための

 

●生は、許されている。生きるための●生は

 

認められている。

 

 

 

 また夏が来て、身体や心や脳ミソが

 

夏を持つ、意識が混濁し、腹の底でマグマの

 

ような塊が、ぐつぐつと煮えるたぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニワトリぶたうし に対する画像結果

 

 

 

 だから、俺は●すことを、やめなかった、

 

ザリガニを●し、カエルを●し、雀や

 

ニワトリを●し、ウサギを●し、イヌやネコを●した。

 

 

 

 

 

 俺にとっては、意味のある、自分を

 

鎮めるため、生きるために必要な行為だった。

 

食べるため、ニワトリを絞め、牛や豚を●る

 

ことと、何も変わらない、すべての人間が、

 

金銭を介して、代替えしてもらっているとはいえ...、

 

やっていることだ。

 

 

 

 俺は、アタマは悪くない。いくら理屈をこねようが、

 

他人が理解できないことは、わかっていた。

 

 

 

 忌み嫌われることもすぐ悟った。

 

人に、嫌われたって、どうってことはないが、

 

面倒な事態は、避けたかった。だから、哺乳類に

 

手を出し始めたころから、ひと目を偲んで

 

行為に及ぶようになった...。

 

 

 

 

 

 始めて人を●したのは、高2の夏だった...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

備考:この内容は、

2018-4-23

発行:宝島社

著者:伽古屋圭市

「5分で凍る!

ぞっとする怖い話」

より紹介しました。