「ミシェル・ウィリアムズ」
今回の(第95回)の、ノミニーの顔ぶれを見ると、
『フェイブルマンズ』のミシェル・
ウィリアムズが5回目のノミネートとなる
(主演3回、ジェン2回)が、今度こそ
無冠のタイトルを、返上できるかに注目が
集まる。
このように、何度も候補まで
いきながら受賞できない、という俳優も
少なくない。
例えば、グレン・クロース
(主演4回、助演4回)、エイミー・アダムス
(主演1回、助演5回)、アネット・ベニング
(主演3回、助演1回)などが
その例だ。
すでに、1回くらい受賞して
いるという印象が残るほど、彼女たちは
「オスカー賞常連」なのだが、いつも
対抗馬で、終わってしまうのが可愛そう?
男優同様、売れっ子スター、ビッグ
スターにかぎって、無冠というセオリーも
成り立つかもしれない。
マーベル組の
スカーレット・ヨハンセンは、
『マリッジ・ストーリー』と『ジョジョ・
ラビット』で主演・助演W候補に挙がっ
たが、どちらも一歩及ばなかった。
W候補といえばベテラン、シガニー・
ウィーヴァーも第61回で、『愛は霧の彼方に』
『ワーキング・ガール』で主演・
助演W候補になったが、受賞ならず。
大物シンガーのマドンナ・ジェニファー・
ロペスも歌とは別にオスカーを狙って
いるが、現時点では、歌曲賞でも候補に
さえなっていない。大物にも、厳しい
のがオスカーだ。
人気女優では、キャメロン・ディアス、
ミラ・ジョヴォヴィッチ、メグ・
ライアン、デミ・ムーアといった、かつての
アイドルたちも、オスカーに縁がない。
ウィノナ・ライダーが2度、ミシェル・
ファイファーは3度ノミネートされて
いるが、やはり無冠のままだ。
また男優同様、英国の実力は女優たちでも、
候補どまりの人が多い。ヘレナ・ボナム・
カーター、キーラ・ナイトリー、
ロザムンド・パイク、キャリー・マリ
ガン、シャーシャ・ローナンなどは、
いつか受賞してもおかしくない実力の
持ち主ばかりだが、今のところ、無冠に
とどまっている。
英国でなくても今回、
「エブリシング・エブリウェア・オール・
アット・ワンス』で初候補となった
ジェイミー・リー・カーティスのような
ベテランもいるように、素晴らしい
出演作に巡り会えれば...、というところ
だろうが。
また、このところ、受賞やノミネート
される数が増加中のブラック系女優でも、
昨年、夫ウィル・スミスがようやく受賞
者の仲間入りしたジェイダ・ビンケット・
スミスをはじめ、ナオミ・ハリス、
ケリー・ワシントン、テッサ・トンプ
ソン、タンディ・ニュートンなどは、
いまだ無冠。
ノミネートも未経験という女優もいる。アジア系、
ラテン系なども含めて、これからもオスカーの
変革は進められそうだ...。
備考:この内容は、
「2023-4月号
screen」
より紹介しました。