函館本線には、どうして8の字状の2つのルートがあるのか...? | Q太郎のブログ

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函館本線路線図 に対する画像結果

 

 

 

 北海道の鉄道地図を見ていると、函館本線が、

 

起点の「函館」から4つ目の「七飯駅」で、2つの

 

ルートに別れ、一旦「大沼駅」で合流の後、再び

 

二手に分かれて、「森駅」で、ようやく1つにまとまり、

 

北進していく様子に、気づかれよう...。

 

 

 

七飯ー森間では、「8の字」を逆さにしたような

 

線形を、なしている。

 

 

 

 

 1つの線路で、2つのルートを持つなんて、

 

何だか、欲張りな感じもするけれど、これには

 

実に深いわけがある...。

 

 

 

 最初の開通は、七飯ー大沼間では、仁山駅回りの

 

ルート、大沼ー森間では、駒ヶ岳駅回りの

 

ルートとなる。共に、地図で見ると、北を上にして

 

左側のルートだ。

 

 

 

 鉄道がの急勾配に弱いことは、本書で何度も、

 

申し上げた通り。すなわち、函館本線の

 

七飯ー森間は、秀峰駒ケ岳の裾野を通るために、

 

右の最初にできたルートの場合、急勾配が連続

 

するのである...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「下り列車」(札幌方面に向かう列車)では、

 

七飯駅を出ると、大沼駅まで、急勾配を登り続けなければ

 

ならない。逆に「上り列車」は、森駅を

 

出発すると、駒ケ岳駅まで、延々坂を登り続け、

 

大沼駅に至ると言う具合だ。

 

 

 

 

 つまり、「上り列車」「下り列車」の双方とも、

 

急勾配に、挑まなければ、ならないということ。

 

 

 

 

 このため、貨物列車などは、連結両数も制限

 

され、本州と道内各都市を結ぶ動脈にも、

 

かかわらず、不自由な状態が続いていた。

 

 

 

 かかる状況を打開するため、後に建設された

 

のが、右側のルートとなる...。

 

 

 

 七飯ー大沼間の新設ルートは、通称「藤城線」

 

と呼ばれ、迂回することにより、「下り列車」に

 

対し、上り勾配を緩和、大沼ー森間の渡島砂原

 

回りの新ルートも、同様の方法で「上り列車」に

 

対する上り勾配緩和の役目を担っている。

 

 

 

 ひらたく言えば、七飯ー大沼間は、「藤城線」が、

 

「下り線」、「仁山回り」が、「上り線」、

 

大沼ー森間は、「駒ヶ岳回り」が、「下り線」、「砂原回り」が、

 

「上り線」の役割で、こうすれば、「上り

 

列車」「下り列車」ともに、急勾配を登らなくても、

 

すむという仕掛けである...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 けれども、普通列車に関しては、七飯ー

 

大沼間は、下りの3本を除き、全て「仁山回り」。

 

大沼ー森間は、「駒ケ岳回り」「砂原回り」の双方に、

 

「上り列車」「下り列車」が、運転されている。

 

 

 

これは、「藤城線」以外、それぞれ

 

に駅が存在するための

 

措置といえる。単純に「上り線」「下り線」と

 

割り切れないのである....

 

 

 

 

 さらに、動力近代化以降、車両性能の向上により、

 

特急列車に関しては、著しく遠回りとなる

 

「砂原周り」を避け、「上り列車」でも、「駒ケ岳回り」

 

を走るものが、ほとんどとなった。

 

「砂原回り」のルートは、「上り」の貨物列車専用と

 

言っても過言ではない状況だ。

 

 

 

 まあ、それはともかく、このような鉄道地図では、

 

ループ線の例も含め、勾配克服のための

 

先人の苦労が、かいま見えてくると

 

言うわけである...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

備考:この内容は、

2009-11-30

発行:KKベストセラーズ

「つい誰かに教えたくなる鉄道雑学」

より紹介しました。