「ガラスに頭を突っ込む」 うさこ 23歳 大学生
隣の家の、若い橋本さん、ご夫婦と我が家は、
とても仲が良く、当時3歳くらいの
小さかった私は、毎日のように、そのお家に
遊びに行っていました。
その家は、寝室に、でっかいダブルベッドが
あり、そこで、トランポリンのように飛ぶ
のが、大好きだった私。
いつものように、ぽんぽん
飛んで、飛び過ぎて、感覚がなくなって
きた頃です。
「もっと高く、宙に浮けるはず」
と、常に思っていた私は、より一層、
ベッドを、強く蹴りました...。
その瞬間、幼心にも、自分の体が、
大きく宙を舞うのが、わかり、
「これは、デンジピンクみたいだ!」と
至福の時間。一番高いところに至った時、
眼前に、迫ったものは、寝室のガラス窓...。
そう、私は、頭から勢いよく、ガラスに
突っ込んでしまったのです。
「ガシャン!」という音が聞こえたのは、私は、
覚えていなかったのですが、隣りの部屋から母と、
橋本さんの、お姉ちゃんが、飛んできました。
そこからは、途切れ途切れの記憶です。
床に、粉々に散ったガラス片と、血(そんなに
出血はなかったと思う)。風呂場で、橋本さんの
お兄ちゃんによって、足首を掴まれて、
逆さにされ、わさわさと、上下に振られ、
髪から、ぱらぱらと、ガラス片が、落ちていった
のを覚えています。
母いわく、「あんたが、ぐったり
してるのを、見た時、○ぬかと思った...」。
幸いにも、大怪我というほどでは、
ありませんでした...。
しかし、私の最大の愚行は、その後、
数年に渡り、こうやって橋本さんとこの、寝室の
ガラスを、同じ方法で、3枚割ったことです。
「最後の方は、橋本さんの、お兄ちゃんは、
あんたを、逆さにしながら笑っていた。」
と、母が、言っていました...。
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「三宅裕司に似た人に助けられる」 27歳 女性 OL
あれは、高校をめでたく卒業した18歳の
春(冬?)のこと。
その日の午前中、私は、
珍しく近くの海まで、犬と散歩に、行くことに
しました。3月とはいえ、少し寒かった
ので、コートをはおり、その当時、命の次に
大切にしていた、ちょっと大きめの時計を、
はめて出かけました...。
犬を、その辺の岩につないで、私は、崖の
上から海を覗きました。
その瞬間、私の腕から時計が、海に落ちて
しまいました! ベルトが、ブカブカだった
ので、スルリと抜けて、あっという間も
なく、海の中に、消えて行きました...。
その次の瞬間、つられるようにして、
なんと私も、海に落ちてしまいました。
水は、冷たかったのですが、
「落ちた ついでだ~!」
と思い、もぐって時計を探しました。
なんとか見つけて、時計を右手に、私は、岸に
向かって30mくらい必○で、泳ぎました。
そして、たどり着いて、海からあがった瞬間、
その場に倒れてしまいました。犬が、
なんかおかしいな?と、思ったようで、
吠え出したのを、
工事現場の人たちが聞きつけて、
救助に、きてくれました。
意識が、朦朧としていたのですが、
「人が、○んでいるぞ!」
と、叫んでいるのが、聞こえました...。
○んでないって!
それから、しばらくして、
救急車が来たのですが、意識が
遠のいていってしまいました...。
朦朧としながら、男の人の声がします。
どっかで、聞いた声だな...。
それは、「三宅裕司」の声でした。
三宅裕司が、「がんばれ~」と、励まして
くれるのです。
おぉ、三宅裕司...
何で、こんなとこに?
テレビは、いいのかい? と思っていたら、
意識も、戻ってきました。それから、病院に
着いてマッサージや、点滴や、レントゲンを
して、無事に家に帰りました...。
後日、母が、救急病院の方のところにお礼に
行くと、三宅裕司の声に、そっくりの人が
「良かったですね~」と、言ってくれたそうです。
あ~、三宅裕司ありがとう。
でも、時計は壊れた...。
それにしても、冬の海に落ちるなんて...、
あとで考えたら、○ぬかと思った...。
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「消しゴムが、鼻に詰まる」 花の短大生★まみんこ
小学4年生ぐらいだった私は、いつも
隠れて、そいつを嗅いでいた(なぜ隠れて
なのかは不明)。そいつとは、缶ジュースの形を
した、コカコーラの匂いのする消しゴムだ。
私は、鼻から 1mmも離さないで、嗅ぐのが
好きだった。至近距離で嗅いでいると、
だんだん気持ちが、良くなってくる...。
その日は、おばあちゃんと、
留守番の日だった。
2人で、仲良くテレビを見ていた。
が、しかし、消しゴムを嗅ぎたい衝動が、私を襲った!
幼かった私には、耐えることなど
できるはずがなく、こっそり嗅ぐ作戦に出た...。
作戦は、うまくいった。
おばあちゃんが、
テレビに夢中に、なっているスキに、何回も
瞬間的に嗅いだ。スキを狙うことだけに集中
している私...。
スキが見えた!
よしっ!
今だ!
嗅げ!
「ただいま~!」
ガラ、ガラ、ガラ、ガラ~(扉を開ける音)。
やばい!
しくじった!
帰ってきた。
消しゴム隠さなきゃ!
あらっ?
時すでに遅し。鼻の半分あたりまで、
入っちゃってる~...。
その時、私は、つまようじを、手にとった。
消しゴムなら、柔らかいから、突き刺さってくれる...。
そう思った。
しかし、あせる気持ちが、私を追い詰める!
こんな姿、見られたくない!そう思う
ほど、奥に入っていく消しゴム...。
「どうしたの? 何もしゃべんないで?」
お父さんが、顔を覗き込む。
バ、バレる!
「うわ~! 鼻、どうした? 腫れているぞ~!?」
もう私、限界。
「消しゴム、入っちゃった!」
鼻のANA 1つ、ふさいで空気を出して、飛ばせと、
言われても、パニックで、何しても無理。
このまま、鼻に、消しゴム詰めたまま、生きて
いくのかなぁ...。
本気で思った。泣きわめく私。
隠れてなんて、嗅がなきゃ良かった...。
その後、なぜか、おばあちゃんに、ジャイアント
スイングみたいなことされて、
「よし、やってみろ!」
と、言われた。そして、鼻のANA
1つふさいで、空気出したら、勢いよく
飛んでいった。
どちらかと言うと、ジャイアントスイングの
方が、○ぬかと思った...。
備考:この内容は、
2011-4-29
発行:アスペクト
編・著:林雄司
「○ぬかと思った 2」
より紹介しました。