由佳> ねぇ、今日って来れる?
優紀> もう、向かってるよ。
由佳> 来る時、何か果物
欲しいな。
優紀> おけ。何がいい?
由佳> リンゴが、食べたい。
優紀> 了解。いいやつ、
持って行くよ。
由佳> ありがとう。
優紀> どういたしまして。
由佳> あのね、
ちょっと、謝りたい
ことが、あってさ...。
優紀> 何だよ?
いきなり。
俺の他に、好きな
人でも出来た?
由佳> そんなわけ無いでしょ!
あの~、お礼も言わなきゃね。
優紀> 何さ、どうしたの?
由佳> あのさ、昔、私が、
ビルの屋上から
飛び降りようと
してた時、優紀が止めて
くれたじゃない?
優紀> 随分、前の暗視だな...。
うん。
由佳> もう、10年くらい前か!?
優紀> そんなことも、あったな。
由佳> あの時さ、私、当時、
付き合ってた彼氏に、逃げられて、
超落ち込んで、いたんだよね。
優紀> 知ってるよ、w
何を、今さら...?
由佳> 何か、絶望しててさ、
生きるのが、辛くてさ...。
優紀> まぁ、恋愛って、すごい、
パワー持ってるからな。
別れ方によっては、それ位、
落ち込むことがあるの、
わかるけどね...。
由佳> それでさ、優紀は、
たまたま見上げたら、
私が、いたんだよね?
優紀> そうだよ、マジで、
ビビったけどね。 w
ふと、見上げたら、
女の子が、屋上の柵を、
乗り越えてんだもん。
あのビル、20階くらい
あったよな?
由佳> ものすごい、
ダッシュで、
走って来たよね?
優紀> あぁ...。
由佳> あ~、あの人、ここに
来るのかな? って、思いながら、
屋上の扉を、眺めてたらさ、
すごい勢いで、扉が開いて、
ゼイゼイいってる優紀が、
いたんだよ。 w
優紀> いや、そんなに息、
切らしてないって...!
由佳> すごかったって! w
優紀> 記憶に、ありません!
由佳> あの時さ、何で、
止めてくれたの?
優紀> 何でって...そりゃ、
止めるでしょ!
由佳> 止めないでしょ!
そんな、面倒臭そうな
女の子って...。
優紀> 目の前で、飛び降りようと
してるのに、それを、見過ごすのは、
相当、目覚め悪いって!
由佳> 優紀、優しいもんね?
優紀> そんなこと、無いと
思うけど...。
っ言うか、いきなり何なの?
付き合い始めた、馴れ初めでも、
思い出してたの?
由佳> うん。
昔のこと、思い出してた...。
優紀> 何で、また?
由佳> あのね、本当に、
止めてくれて、ありがとう...。
優紀> お、おぅ...。
10年越しの、
「ありがとう」だ。
前にも、言われてるけどね。
何? 何かあった?
由佳> 私、孤児だから、
身寄りが、いないんだ...。
優紀> 知ってるよ。
由佳> だから、優紀に、
聞いて欲しいの!
私の、病気さ...、
優紀> ちょっと、待って!
俺からも、聞いて欲しい。
由佳> えっ! 何?
優紀> 結婚しよう! 由佳!
世界中の誰よりも、
愛している!
由佳> あぁ、ズルい!
優紀> 何で?
由佳> 先生から聞いたの?
私の、病気のこと?
優紀> うん。聞いた。
由佳> ステージ 4だって...。
もう、助からないって...。
優紀> それも、聞いた。
由佳> 10年前はさ、
●にたかったんだけど、
今はね...。
●にたくないよ~!
優紀と一緒に、
生きていたいよ~。
優紀> ●なないよ。
大丈夫!
ずっと、そばにいるから...。
由佳> もう、着いてるでしょ?
今、扉の前でしょ!
何で、入って来ないの?
優紀> うっ...!
もう、ちょっと待ってね。
由佳> もう、泣き虫なんだから!
優紀> こら、
こっちにも、由佳の鼻すすってる音、
聞こえるから!
由佳> だって、
しょうがないじゃん!
優紀> じゃぁ、お互い様って
ことで...。
由佳> で、謝りたい
ことなんだけど...。
優紀> 何?
由佳> 付き合う時さ、「何か、
して欲しいことある?」 って
聞いたらさ、
優紀が「●なないでね」
って、言ったじゃない?
優紀> うん。
由佳> 約束、守れなくて
ごめん!
ごめんね。
先に行って、待ってるから、
優紀は、ちゃんと、
おじいさんに、なってから
来てね。
ちゃんと、次の彼女
見つけるんだよ!
あぁ、でも、私より
可愛いかったら、どうしよう? w
まぁ、しょうがないか?
優紀、優しいし、カッコいいから...、
きっと、いい子見つかるよ。
優紀> 返事!
由佳> えっ?
優紀> 聞かせて!
プロポーズの返事?
由佳> だって...。
私...
もうすぐ、●んじゃうんだから、
止めときなって!
あれ? 未亡人の男性版って、
何て、言うんだろう?
とにかく、変なバツ
付けなくて、いいじゃん!
優紀> バカに、すんなよ!
俺の愛、バカにすんなよ
なぁ?
由佳> ...ありがと。
ねぇ、お願い、
私のこと、忘れないでね。
優紀> 忘れない。
●ぬまで...。
いや、●んでも、忘れない。
愛してるよ、由佳!
由佳> あなたに...
優紀に会えて、良かった!
あの時、私を、見つけてくれて、
本当に、ありがとう...。
優紀> 結婚してくれますか?
由佳> いいの?
優紀> うん!
由佳> ありがとう...。
はい! よろしく
お願いします...。
優紀> うん、こちらこそ、
よろしくおねがいします。
由佳> やったぁ~!
家族に、看取って
もらえるやん...。
備考:この内容は、
「ヒトのLINE」
8.3万回視聴・2年前
”末期ガン...ステージ4の
彼女にプロポーズした結果”
より紹介しました。