第①位 「ONE PIECE」
【見渡す限りの海を凍らせた海軍大将・青キジ】
ペギラが②位。すると、①位は?
青キジということになる。
凍らせる能力は、すごいとは
思っていたが、さすが、怪獣ペギラーを
上回るとは、筆者も予想しなかった...。
青キジは、本名「クザン」。
マリンフォート頂上決戦までは、
海軍大将の1人だった。ヒエヒエの
実を食べた「氷結人間」で、手を触れるだけで、
相手の体を凍りつかせたり、津波させも凍らせた
りする。非常にマイペースな性格で、海兵としての
モットーは、「ダラけきった正義」。
こんな彼が、最大の氷結能力を見せたのは、
偉大なる航路(グランドライン)の
ロングリングロングランドという
島だった。
普段は、10の島に、分かれているが、
年に一度だけ、潮が大きく引く日は、島から島へ
歩いて渡れる。その島の1つで、ルフィたちは、
仲間に取り残された老人に出会う。
そこへ、青キジもやってきて、
老人の事情を寝ながら聞くと、海を
凍らせて渡れるようにしてやる。この、気ままな
元海軍大将は、優しいところもあるのだ...。
その、凍らせ方は、すさまじかった。界面に
手を浸すと、巨大な海王類が襲いかかる。それを
見ようともせず、青キジは、”氷河時代”(アイス・エイジ)
と、つぶやく...。すると、海は、見渡す限り、界面に波の形を
残したまま、海王類とも、
カキ~ン!と、凍りついていた...。
海は、水平線まで凍っていた。人間の目の高さから
見た時、水平線までの距離は、およそ5km
になる。
もちろん、その向こうまで凍っていた
可能性もあるわけだが、
ここでは、半径5kmの海域を
水深10mまで、
凍りつかせたとしよう!
その場合、凍らせた水は、7億9千万t 。
奪った熱は、82兆キロカロリー!
う~む。
ペギラが、80兆キロカロリーだったから、
僅差だなぁ。
このレベルだと、ペギラが、東京を凍らせた日の
気温や湿度、また、青キジが
凍らせた海域の広さや水深によって、
①位と、②位は、入れ替わっても、
おかしくない!
ここは、ペギラと、青キジが、氷結界の
双璧と、結論するのが、
妥当だろう...。
しかし、怪獣と、肩を並べる人間って、
すごいな...!?
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【番外のトドキラー】
最後に、作った氷の量が、はっきりしないので、
ランキングには、入れられないが、壮絶な
「番外」を紹介しよう!
それは、『仮面ライダー』に
登場したショッカーの改造人間・氷魔人
「トドキラー」だ!
トドキラーが、顔の前で、両手をかがむように
合わせ、その両手を、前方に突き出すと、口から
吹雪のような息が、吐き出される。これが、彼の必○技
”冷凍シュート” で、幹部の○神博士によれば、
その温度は、零下300℃!
かつて流行した「仮面ライダーカード」の
NO.165にも、こういう解説が載っていた。
「トドキラーに、冷凍シュートを、吹き付けられた
ライダーは、凍ってしまった。恐ろしい怪人の武器だ。
冷凍シュートは、マイナス300℃という、
猛烈な冷たさ。木でも、人間でも、たちどころに凍らせて
しまう!」
これは、別の意味で、本当に恐ろしい冷凍能力だ。
温度には、高いほうには、限界が無いが、
低い方には下限がある。
物質の温度は、原子が
どれだけのエネルギーを持っているかで決まり、
原子のエネルギーが、最低になったときの温度が、
マイナス273℃で、
これより低い温度というものは
ありえない。あらゆる物質のなかで、最も低い
温度まで、凍らないヘリウムでさえ、マイナス
272℃で氷になる...。
つまり、トドキラーが、マイナス300℃の
”冷凍シュート” を吐いたというのは、決して起こり
得ない奇跡。その奇跡を起こしたとしたら、
トドイラー自身の体も、血液も、脳ミソも、吐いた
息さえもが、すべて凍りついているはずなのだ。
はたしてショッカーは、本当に、そんな能力を
持つ氷魔人を、生み出したのかどうか...?
トドキラーが、あっさり、
仮面ライダーに倒されちゃったので、
真相はわからないが、科学を超えた
壮絶さに、敬意を評して、これが番外...!
備考:この内容は、
2016-3-26
発行:KADOKAWA
著者:柳田理科雄
「空想科学読本 17」
より紹介しました。