「お笑いマンガ道場」
期間:1976(昭和51)年4月~1994(平成6)年4月
曜日/時間 土曜/18:00~18:30(初期は日曜/12:45~13:15)
主な出演:富永一朗、鈴木義司、車だん吉、川島なお美、柏村武昭、桂米丸など
『笑点』風の伝統的番組構成と
革新的なフリップ大喜利の融合
中京テレビが制作したバラエティ番組の名作
といえば『お笑いマンガ道場』だ。初代司会者の桂米丸は
約1年間だけだったため、司会者というと、2代目の
「垂れ目」の柏村武昭の印象が強い。お題に対して
フリップにマンガを描いて答える大喜利番組。
当時は、何気なく観ていたが、改めて考えると、相当高度で
難易度の高い内容だ。
フリップ大喜利だけでも難しいのに、
イラストも描かなければならないのである。
お笑い芸人でも、できる人は限られている。にも
かかわらず、レギュラー回答者に芸人は1人もいない。
フリップの使い方も、めくれるものがあったり、
一部だけを動かしてみたりと、斬新なことを当たり前の
ようにやっていた。フリップをひっくり返して
2コママンガを見せるのは、この番組の発明だという。
番組の名物は、何と言っても、富永一朗と鈴木義司
という両マンガ家のライバル対決。いや、罵り合い
だろう。
肉感的な女性のお○ぱいをコミカルに描き、
笑わせる富永と、見栄っ張りで、自分を大金持ちの
伊達男として描く鈴木。富永は鈴木を土管に住んでいる
ガリガリの貧乏人に描くと、スズキは富永をデブで
ブタの怪物のように描く。
それに対し、本気で
憮然としたような富永の表情が笑いを誘った。『笑点』的な
ベタな構図は鉄板だった。
ほかのレギュラー回答者では、車だん吉や3代目
の女性レギュラー、川島なお美が印象深い。2人は、
プロ顔負けな画力と、思い切りのよい発想で番組を
華やかにしていた。
また、エンディングの
『だん吉・なお美のおまけコーナー』も人気を呼んだ。
視聴者からのお便りを紹介するのだが、そのリアクションが
どこか適当で、さらにプレゼントもマッチの形を
したクッションやら、よくわからない人形やら
しょうもない物ばかり。そんな独特な空気が夕方の
気分に合っていて心地よかった・・・。
備考:この内容は、
2022-1-25
発行:辰巳出版
「タツミムック
日本懐かしテレビ大全」
より紹介しました。