【レコードと生演奏を、
どう考えたらいいか?】
★一口に言っても、いろいろな種類のものが
ありますが、いわゆるポピュラー系の音楽は、現在(昭和55年)
明らかにレコードの方が、生演奏を超えていると言っても
良いでしょう。
いろいろな録音テクニックを駆使し、
生演奏では、出来ないような音楽が、今、流行している
のです。
たとえば、エコーをつける技術などは、
レコードの場合のほうが生演奏よりも綺麗ですし、
楽器のバランスなども、レコードの方が
細かい仕上げが なされています。
特にシンセサイザーなど、電気楽器のたぐいは、
レコード録音の方が、遥かに有利なのです。
ただし、クラシック系の音楽、一部のジャズなどは、
あくまでもステージで演奏する生の音が基準ですし、
この生の音に、いかに近づけるかが、レコードの理想
です。しかし、このクラシック音楽の場合でも、生では
聴こえないような細かい音を、レコードでは聴かせる
ことも可能ですし、レコード独特の音響の世界が
見い出されています・・・。
この問題は、あまりにも大きなテーマですので、
短いスペースでは、お答え出来ないのが残念です。
しかし、一口に言うならば、レコードの音は、
永久に生演奏を超えられないでしょう。しかし、別の
意味では、とっくに生演奏を超えているのです。
なぜならば、現在、これだけ多くのファンの人たちが
いますし、いずれもレコード音楽を楽しんで
いるのですから・・・。
備考:この内容は、
昭和55-7-31
発行:(株)音楽之友社
「オーディオ基礎知識」
より紹介しました。