【決して深刻にはならない '80年代の娯楽作】
・・・「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
3部作も80年代を代表する人気作ですね?
こがけん> とにかく、カッコいいですよね。タイムマシン
になる「デロリアン」に、マーティが着ている
ファッションにスケボー、それにギターが
弾けること。80年代の男の子が憧れるものが
すべて詰まっている。それに、80年代だから
こその物語にもなっていると思うんです。
第1作のラスト、過去の父親と母親を結びつける
ことに成功したマーティが、現代に帰ってくる
と、TOYOTAの「ハイラックス」が置いてあり、
家族はみんな身なりがよくなっていて、
マーティは、
「やった~!」と大喜びをする。
冷静に考えれば、元と同じ自宅に戻ってこそハッピー
エンドのはずなのに、そうじゃなくなって
いるわけです。
でも、このラストでOKと
したのが、80年代という社会だったと思うんです。
日本もバブルを迎えていましたし、これから
未来は、よくなって行くと信じられていました。
そういうキラキラ感があるのも、80's 映画の
特徴でしょうね・・・?
=====================
・・・『ゴーストバスターズ』(84年)は、新作
『ゴーストバスターズ/アフターライフ』の
日本公開が控えています。
こがけん> いかにも、80's映画ですよね。おばけ退治の
話なので、いくらでも怖くできるのに、深刻に
は、絶対ならない。最後に、凶悪なゴーストが
出てきても、ビル・マーレー、ダン・エイクロイド、
ハロルド・レイミスの3人のおっさん
たちは、最後まで、肩の力が抜けたまま(笑)。
ゴースト狩りをする3人が乗る車「ECTO-1」は
救急車を改造したという皮肉も効いて
いるし、彼らが使うのは、最新メカではなく、
廃材っぽい感じで、ガジェット感がすごくいい。
中年3人組とすごく合っています・・・。
NETFLIX オリジナルドラマ
『ストレンジャーシングス』も、80年代を舞台に
した超常現象モノなんですが、ダフィー兄弟は、
自分たちの好きな映画や好きな音楽を
書き出して、再構成したそうです。80's映画
の思いっきりの良さ、エンタメとしての
突き抜け感とかが、『ストレンジャーシングス』
には、受け継がれているように感じます・・・。
・・・『ゴーストバスターズ』は、ハリウッド版
「事故物件映画」でもあると思うのですが、
お笑い芸人と、「事故物件」ものは、親和性が
ありますか?
こがけん> そういう一面もあるかもしれません。
僕も映画『ほんとうにあった怖い話 事故物件
芸人 2』(21年)に出させていただきました。
「事故物件もの」は、元々が芸人発だったことも
ありますが、コメディとホラーは、紙一重の
違いだと思うんです。
緊張と緩和で構成されていると
いう点では同じなんです。
『ホーム・アローン』(90年)は、80's映画の完成形だと
僕は、思っています。
子どもが、家族から忘れられて、
1人ぼっちでいる家に、泥棒が侵入して
くるという究極のホラー設定なのに、底抜けに
面白いコメディに 仕上がっています。
ビル・マーレー、ダン・エイクロイドらは、米国の
人気バラエティー番組『サタデー・ナイト・
ライブ』出身のコメディアンです。
やはりコメディとホラーは親和性が高いように
思います。ちなみに、僕のオールタイム映画ベスト10は、
「サタデー・ナイト・ライブ」出身者の
主演作が、ほとんどを占めています・・・。
備考:この内容は、
2022-3-19
発行:(株)三栄
「世界中を熱狂させた懐かしの
大ヒット映画をプレイバック!
80's 映画大解剖」
より紹介しました。