政治のニュースを伝えるとき、必ず出てくるのが、衆議院と参議院です。
左右対称の国会の、
どちらが衆議院で、どちらが参議院かわかりますか?
国会を正面から見て、左が
衆議院、右が参議院なのです。私は、左から右へ、
「衆・参」と覚えるようにしています。
さて、日本は衆議院と参議院の二院制だと、学校でも習いましたよね。
「国の大事な法律の案などは、
衆議院と参議院のそれぞれで議論して、両方がOKとなって、初めて法律に
なります」と説明しますと、子どもたちから、「なぜ、2つも必要なの?」とか、
「両方の意見が違ったら、どうするの?」とか、質問されます。
最初の質問には、「国民にとって大事なことを決めるのだから、違う選挙の方法で
選ばれた国民の代表が、それぞれの立場で議論して、間違いがないように慎重にやって
いるんだよ」と、答えました。
一方、両者の意見が対立したら、どうなるのか?
これも学校で習うのですが、国の
予算と外国の約束(条約)を認める(批准する)か、
どうかについて意見が別れた時は、
衆議院の決定を優先します。
また、総理大臣の選出も、衆議院の結論が優先します。
これを、「衆議院の優越」というのです。
この点は、名前にも現れています。衆議院の「衆」は、
一般大衆の「衆」、衆議一決の「衆」です。
衆議院は、時からしても、
「大衆の代表として議論する」という意味だとわかります。
では、参議院の「参」は?
早速、参議院事務局に取材です。こういう取材のときに、
「こどもからの質問が」きている
ので・・・」という前置きがあれば、普段なら恥ずかしくて
聞けないようなことも聞く
ことができます。便利ですね。
その答えは、「参議院は、第2院の位置づけです。
衆議院の議論に参画するという立場
なので、参議院と言います」ということでした。
そもそも参議院は、名前からして、謙虚
だったのです。いやあ、改めて勉強になります・・・。
備考:この内容は、
2010-11-21
発行:集英社
著者:池上彰
「これが週刊こどもニュースだ」
より紹介しました。