やさしい日本語・佐藤和之... | Q太郎のブログ

Q太郎のブログ

パクリもあるけど、多岐にわたって、いい情報もあるので、ぜひ読んでね♥
さかのぼっても読んでみてね♥♥

神戸新聞NEXT【特集】阪神・淡路大震災

 

① 今朝、5時45分頃、兵庫県の淡路島付近を

中心に、広い範囲で、強い地震がありました。気象庁では、

今後も、しばらく余震が続くうえ、やや規模の大きな

余震が起きるおそれもあるとして、地震の揺れで、

壁に亀裂が入ったりしている建物には、近づかないように

するなど、余震に対して、十分に注意してほしいと

呼びかけています・・・。テレビ

 

 

 

 これは、1995年1月17日に阪神・淡路大震災が

 

起きた時、テレビで放送されたニュースの原稿である。

 

1度読んだり、聞いただけでは、内容を把握する

 

のは、難しいと感じるのではないだろうか?波

 

 

 

 日本語に不慣れな、外国人にとっては、なおさらだった。日常会話ができる人でも、「余震」や

 

「亀裂」といった言葉は、聴き慣れない。地震のない国から来た人にいたっては、そもそも、

 

「地震」についての知識がないのである。実際、阪神・淡路大震災の被害にあった多くの外国人は、

 

突然、襲ってきた大きな揺れに驚き、恐れおののくしかなかった。近くの公園に、かろうじて避難

 

したものの、自分には、理解しがたい日本語の情報しかなく、立ち尽くすばかりだったのだ。

 

何が危険かを判断できず、家具の散乱する部屋に戻ってしまい、余震が続く中、助けを待ち続け

 

た人さえもいた・・・。ビル

 

 

 

 この出来事は、さまざまな国籍の人が暮らすようになった地域社会に、緊急性の高い情報

 

を、外国人にも、日本人と同じように伝えるには、どうしたら良いのか? という、これまで

 

考えてもみなかった、大きな課題を与える事になった・・・。家

 

 

 

 

 この課題に取り組むため、私達言語研究会は、震災直後に研究会を設立した。解決の糸口

 

を探るため、被災した外国人への聞き取り調査や、震災時の報道の分析などから開始した。ハロウィン

 

 

 

 

 そもそも、震災以前の日本社会では、外国人への情報提供は、英語、あるいは、各国の言語で伝える

 

のがよい、と考えられていた。実際に、普段の生活では、主に、英語を中心とした、外国語への翻訳に

 

よって、情報が伝えられ、特に、大きな問題も生じていなかった・・・。

 

 

 

 ところが、阪神・淡路大震災が起きた時、テレビや ラジオから流されたニュースや避難ピエロ

 

指示は、日本語ばかりだった。大規模な 災害下では、翻訳のための時間も、人手も足りなかったのだ。

 

 

 

阪神・淡路大震災から学ぶ、「通電火災」の恐ろしさ。防ぐために必要なこととは?(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュース

 

 

 情報が、時々刻々と代わり、英語ですら、翻訳が追いつかない。まして、被災地に住んでいる

 

外国人の国籍は様々で、話している言語も多様なのである。結局、外国人への的確な支援が

 

始まったのは、災害時の安全確保が、特に重要とされる72時間を過ぎてからだった・・・。ぽってりフラワー

 

 

 

 このような実情を考慮し、大規模な災害下では、従来の翻訳では、不可能だと私達

 

は判断した。そこで、発想を転換した。日本に住む外国人が共通している言語は、日本

 

語である。日本語であれば、伝える側に翻訳の知識や技術は必要ない。日本語を、外国人に

 

わかりやすく、完結にして伝えることで、災害初期でも、有効に情報提供ができるだろう、という

 

考えに至ったのだ。乙女のトキメキ

 

 

 

 

 

 では、外国人に、わかりやすい簡潔な日本語とは、具体的には、どのようなものなのだろう?

 

冒頭のニュース原稿①を見ながら、「こういう表現はどうか?」という代替案を考えてみて

 

ほしい。大切なのは、災害初期という混乱の中、日本語に不慣れな外国人に、外国語での支援体制

 

が整うまでの間を、生き延びてもらうという、状況・相手・目的を明確に意識することである。おすましスワン

 

 

 

 まずは、伝える情報を絞らなければならない。1回に、伝える情報が多すぎると。かえって混乱

 

を招くことになる。この、状況で、特に必要なのは、「何が起きたか」や「生き延びるためには

 

何をすべきか」ということだ。このことについて、伝えている情報を①から取り出してみよう。おすましペガサス

 

 

 

 続いて、表現を、わかりやすく言い換える。例えば、「津波の恐れがあります。警戒して

 

ください」と、伝える場合、「津波」は、言葉を知らない外国人が、いるだろうから、「とても高い波」

 

に、「警戒する」は、難しいかもしれないので、「注意する」に、それぞれ言い換えるといった

 

具合だ。ただし、語句を言い換えただけで、十分か?というと、そうではない。やしの木

 

 

 

 

 津波を知っている人なら、この情報を聞いただけでも、

 

海から離れて高いところへ逃げよう、と判断できる。しかし、

 

まったく、知らない人だと、津波の恐ろしさも、どう対応すべきなのかも、わからない。そこで、

 

「とても高い波が来ます。危ないです。海から離れてください。」のように、言い換える必要がある。

 

つまり、被災者の取るべき行動を、具体的に、示す表現が求められるのだ。なお、「津波」や

 

「避難所」といった、災害時によく使われる語句は、外国人にも覚えてもらったほうがよい。その

 

ため、「津波」(とても高い波)のように、解説を添えて使うようにする。ちょうちょ

 

 

 

最後に、「起きる恐れがある」や「通れないことはない」といった、あいまいな表現、主語

 

と述語が何回も出てくる文、30拍を超える長い文は、外国人にとって、理解しがたいということ

 

を、考えなければならない・・・。チューリップ

 

 

 

 

備考:この内容は、平成27-2-5 

発行:光村図書出版株式会社

「国語 2」

より紹介しました・・・。