夫婦で共通の趣味を持つということは、すばらしいことだ。特に老後の
ことを考えると、夫婦円満の強力な武器になる。
ところが、趣味というもの、どちらかが、先にやっていることが多い。そのため、
教える側と、教えられる側に分かれる。
この師弟関係、夫婦だと、他人のような、ドライなものになりづらい。教える
側は、遠慮や手加減を忘れ、教わる側にも、謙虚さや、素直さが薄くなる。
そして、ここでもまた、いつものように・・・。
【妻の怒り】
私には、趣味と言えるような物がありません。若い頃から、芸能界に入り、そのまま
ずっと、仕事に没頭していましたので、趣味を持つ時間がなかったのです。楽しみと
いえば、姉と食べる、てっちりぐらいで、つまらない人生でした・・・。
結婚して、時間の余裕ができました。
「私も、趣味を持とう。そして、新しい友達をいっぱい作ろう」
まず、考えたのは、テニス。若い奥さんが、ラケットを持って、さっそうと、でかけ
るのを、よく見かけました。ハイソの若奥様方は、テニスをするものだったのです・・・。でも、
あの、テニススコートをはく、勇気がありません。
「あんな、短いスカート、はくくらいなら、○んだほうがまし」
次は、洋裁です。
「子供の服は、私が作ろう。チューリップのアップリケを、つけたスカート、はかせたい」
産まれたのは、男の子でした。
陶芸でも、やってみようか?と、習ったてみたものの、出来上がった皿は、全て形が
バラバラ、座りも悪く、豆腐をのせたら、横滑りして、潰れてしまいました。100円均一の皿の
見事なこと。私、陶芸より、闘牛のほうが、向いているかもしれません。結局、元の
無趣味に戻ってしまいました・・・・。
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そんな時、あなたが、
「恵美子、君もゴルフ、やったらどうだ?」
と、言ってくれたのです・・・。
私、ゴルフは、興味ありせんし、日に焼けるのもいやです。でも、週刊誌の
グラビア特集の「よく似ている有名人:」というもので、プロゴルファーの岡本綾子さんと
似ていると、出たことがありました。
「それなら、私もゴルフの才能あるかもね?」
無茶苦茶な理屈をつけて、ゴルフを始めることにしたのです。それに、夫婦いっしょに
やる趣味があってもいいじゃないですか?
初ラウンドは、サイパンでしたね。ここなら、すいていて、後続の人たちに迷惑がかからない。
「よし、がんばるぞ!」
私は、気合を入れて、ティーグラウンドに立ちました。あなたはまず、私の
グリップに注文をつけます。広いの狭いの、右向いているの、左向いているの。そして、スイング
です。早いの、遅いの、体重が移動していないの、頭が動いてるの。
「まだ、1球も、打っていないちゅ~の!。ごちゃごちゃうるさい!
好きにさせてよ!」
スタートしてからが、また大変。クラブ3本持って走れ。バンカーでの足跡は自分で
直せ。グリーン上では、人のラインを踏むな。
まるで、鬼コーチ、地獄の特訓です。
その挙げ句、あざ笑うように、私を見て、
「下手だなぁ・・・」
私は、今日、初めて、ゴルフすんのよ。下手に決まってるやないの!あなただって最初は、
下手だったでしょうが。せっかく、あなたと、同じ趣味を持って、いっしょに楽しもうと
しているのに、これじゃ、ゴルフ嫌いになってしまうやんか!
「うるさい!黙れ! この無礼な教え魔。もう、あなたとは、ゴルフしたくない!」
備考:この内容は、2011-8-10
発行:(株)学研パブリッシング
著者:上沼恵美子・上沼真平
(感想)
ふ~む。Q太郎も、以前、ゴルフを1回だけやったことがありますが、
そもそも、ティーグラウンドで、みんなが見ている。
挙げ句のは果てには、「手で投げた方が、早いぞ!」って、
もう、メチャクチャです。お金はかかるし、朝は早いし・・・。
その点、ボーリングは、1人でできるし、誰にも、文句を言われません。