・・・こんにちは、「ワイド・スクランブル」です。
今回は、上田教授の著書『どんとこい、超常現象』
の人気の秘密を探るために、同著に教授の助手と
して登場している山田奈緒子さんに、当時の
様子をお聞きしたいと思います。
山田さん、よろしく
お願いします。
「え~、超天才売れっ子奇術師の山田奈緒子
です。あっ、まず最初に、誤解している人も多い
ようだから言っておきますが、『母之泉』から
始まった一連の事件を解決したのは、ぜ~んぶワタシ
です!上田さんはワタシの助手か、それ以下の
存在でしかありません。だいたいあの単純バカの
上田さんに、難解なトリックが解けるわけない
じゃないですか?」
・・・ですが、『どんとこい』を読む限り
では・・・?
「だから、『どんとこい』なんて信じちゃだめ
ですよ。丸ごとでたらめなんだから。上田さんは、
体と体の一部が大きいだけで、ほとんど役に立ち
ませんでした」
・・・は、はぁ。しかし、いきなりそう言われても、
にわかには信じられないのですが?
「わかりました。この際ですから、はっきり
させましょう。ワタシ、超能力者や霊能力者に限らず、
嘘を付いている人に会うと、なんだか無性に腹が
立って、”あなたがやっていることはインチキだぞ!”
って大声で叫びたくなっちゃうんです。だから今回
は、バカ上田の出まかせを、ワタシがまるっと
解説しちゃいます。題して山田奈緒子の『どす来い、
超常現象!』」
・・・どす来い!?いやはや、よく、わかりませんが、
とにかくお話をお聞きすることにします。
・・・まずは『母之泉』の事件ですよね。
「そう、霧島澄子に”呪いをかけられた”と思い
込んだ上田さんは大慌て。雑誌を使って本物の
超能力者を探し、恥も外聞もなく助けてもらおうと
考えたんです」
・・・上田教授によると、確か生活費に困った山田
さんが、泣きながら土下座して、助手にしてくれと
頼んだとか?
「まさか!超売れっ子マジシャンのワタシが、
そんなことする、はず無いじゃないですか!!臆病な
上に、簡単なトリックにもコロッとだまされてしま
う上田さんのほうから、ワタシを頼って来たんです。
それに、お金なんて全く困ってませんよ。失礼
な。家賃はきっちり収めているし、夕飯は毎晩の
ように、麻布10番の高級焼き肉店でしゃぶしゃぶ
付き骨つきカルビディナーを楽しんでいるくらいで
すから、間違えても神社で落ちている100円玉を
ねこばばしようとしたり、商店街で子供が捨てた菓子
パンを拾い食いしようとしていたなんて、一度
たりともありません!」
・・・あの、そこまで聞いてないんですけども・・・。
「あ・・・。いや、とにかく!上田さんがワタシを
助手として使っているんじゃなくて、ワタシが
あのバカで、しょーがない上田さんを助けて
やっているんです」
・・・というと、澄子が使ったトリックの種明かし
をしたのも山田さん?
「その通リ!澄子が封筒に入った信者の悩みを
言い当てたトリックも、ワン・アヘッド・システム
だって見抜いたのも、美和子さんの毒○事件を
水道管を使ったトリックだと言い当てたのも
ワタシ。あの時、上田さんが、多少なりとも役立った
のは、通信講座で習ったとか言っていたカラテで
追っ手を振り払ったことぐらいですね。頭脳部門
はワタシ。体力部門は上田さん担当ですから・・・」
備考:この内容は、2002-11-30
発行:学習研究社
発行人:堀 昭
編集人:大野正道
「日本科学技術大学教授 上田次郎の『どんとこい超常現象』」
より紹介しました・・・。
1238円 税別