情熱のことなら、
デアトリスに聞くがいい・・・。
ブエノスアイレスの電飾の港町に、
とっぷり陽が暮れる頃、
いや・・・、
それでは、
まだ、早い・・・。
真夜中を過ぎて、
ネオンンライトのタンゴバーが
怪しい光に染まる頃、
どこかの店で、彼女の歌が聴けるはずだ。
ナイトツアーの観光バスが、
その昔の伊達男たちの船着き場や
神ニートと呼ばれる小道を巡って
夜ごと、繰り込むところの
防火地点の民謡酒場だと、思えばいい・・・。
恋の鞘当など・・・、
日常茶飯事の、
港の歌姫だから、
袋小路に迷い込んだ
情熱の出口など
いともたやすく、
教えてくれると思うのだが・・・。