エネルギーの壁が、あらゆる敵の攻撃を跳ね返す・・・。空想科学世界では、
おなじみの防御兵器がバリアである。なんとも便利な代物だ。
この定番アイテムの出現は古く、アニメの「鉄腕アトム」や「スーパージェッター」
にもしばしば登場していた。「ウルトラマン」や「ウルトラマンA」では
ヒーローが空間に四角いバリアの膜を作り出し、怪獣の光線や炎を防ぐとい
シーンが描かれた。
しかし、バリアのイメージを決定付けたのは、なんといっても「マジンガーZ」
の光子力研究所だろう。ドーム型や氷山型の光が研究所を包んで、敵のミサイル
やビーム砲から身を守るという場面が、毎回のように出てきた。
とはいえ、これで、鉄壁の守りになってしまえば、マジンガーZの出番はない
わけだ。敵の攻撃が続くとバリアは溶け始め、あるいは穴が空き、ついには
バリバリと音を立てて粉々に砕け散るのが常だった。そのせいか、バリアとは「まるで
ガラスのようなエネルギ膜という印象すらでき上がってしまった。
はたして、そんな防御兵器を実現することは可能だろうか?物語のなかでも
すでに穴だらけの防御なのだから、科学的に検証してみても虚しい、
と言う気もしないではないが・・・。
備考:この内容は、2016-12-2 (株)KADOKAWA 柳田理科雄著
「どっちがすごい!?空想科学読本」より紹介しました・・・。