「ジェットモグラは、回転する棺桶である」
「サンダーバード」のジェットモグラや「ウルトラセブン」のマグマライザーなど、
地底戦車の印象はきわめて強い。
先の尖った巨大なドリルで、固い岩盤を削ってガンガン地底を掘り進み、
人命救助や地底怪獣退治に活躍する姿は、まことにカッコ良かった。空想科学の世界
では、正義のチームが必ず1台は持っている定番マシンだったのだ。実際に
あったらさぞ、便利だろうと思った人は多かったに違いない。
しかし、こうした地底戦車が実用化されたという話は聞いたことがない。似た
ものに、トンネル工事で使われるシールドマシンがあるが、形は円筒形だ。水を
吹き付けつつ平面上に並べた切り刃で岩を削り、マシン内部に岩塊を落とし込んで
掘り進む。地底進行速度は時速2mというノロさだ。地底を掘るという同じ
目的のために作られているのに、なぜコレほどにも構造が違うのか?
空想科学の地底戦車には、なにかトンデモない欠点があるとでもいうのだ
ろうか?本編ではこれを考えてみたい・・。
つづかも・・・。
備考:この内容は、2016-12-2 (株)KADOKAWA 柳田理科雄著
「どっちがすごい!?空想科学読本」より紹介しました・・・。
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