会議中にコックリ、コックリ。あの気持ちの良さはこたえられない。いっそのこと、
このまま机に突っ伏して、ぐっすり眠ってしまいたいという衝動に駆られる。
この居眠り、生理学的に分析すると、一時的に中枢性刺激が低下し、血液中の酸素量が
減少することにより、起こされるものである。つまり、注意力の散漫と、脳の酸素量の低下が
主な犯人というわけである。
狭い会議室、タバコの煙と、ひといきれでムンムンした空気、しかも、興味の持てない
会議テーマ、単調で変化のない会話、そして、誰かが密かに放ったオナラの匂い、とくれば、
眠くならないのがおかしい。どんなに、目をカーッと見開き、頬や太ももをつねろうが、
いつのまにか境地は天国である。
しかし、会議に出席して何も発言しなかったというだけで、やる気が無いとみなされ、
査定に響くご時世、居眠りなんて論外である。それでは、こんな気持のいい居眠りを
防止する方法なんてあるのだろうか?
脳の中枢性刺激が低下するのだから、そこを刺激するガムを噛むのがイイわけだが、
会議中にクチャクチャやっていれば、「態度がデカイ」「真剣でない」と怒られるのが
おちである。
ひとえに、会議の前夜はグッスリ眠ることと、注意力散漫を回避するためには、口角泡を
とばす気持ちで会議に積極的に参加すること。結局は正攻法しかないのである・・・。
備考:この内容は、1997-5-10 コスモ出版
「通勤電車を楽しむ本」より紹介しました。