そっち系なシーンを容赦なくカットしたりザイモクを入れる、映倫やビデ倫、いったい
どんな人が審査しているのだろうか?映倫審査員なんて職業があるのだろうか?
映倫の審査をしているのは「映倫管理委員会」というところだ。委員というのは
たいてい大学教授や作家などの有識者と呼ばれる人たち。このメンバーが月2回ほど会議を開き、
審査基準について検討する。実際に審査をする審査員は、洋画、邦画とも数人ずつという
こじんまりした集団なのだが、映画会社をリタイアした人や、元制作に関わっていた
OBばかりで構成されている。よって年齢も高めで、60歳前後の人が多いというから少し
意外だ。彼らは2人1組になり、試写室で1本の作品を審査する。
60歳くらいの人に委ねられているのは、そのくらいの年齢なら社会的常識が判断できる、
と考えられているからだという。また、メンバーは全員男性なのだが、これは、「あっち系
の映画をたくさん見なければならないので、女性は精神的にムリがある」(?)という
理由。
何かと疑問視される映倫のシステムではあるが、現実として、映倫に限らず、ビデオの
ビデ倫、パソコンソフトのソフ倫もやはり有識者の年配の男性中心の業界だということだ。
それにしても孫がいてもおかしくない年齢の男性たちが冷静な顔をして、こっち系のシーン
をチェックしているところを想像すると、思わず吹き出したくなってしまう・・・!
備考:この内容は、1997-5-10 コスモ出版「通勤電車を楽しむ本」より紹介しました。