最近なら、はなわや、嘉門達夫の歌によって、あるいは単行本に
よって世間の爆笑を誘った「ガッツ石松伝説」の数々。そのルーツは、村田秀雄伝説
で当てた1980年代の『ビートたけしのオールナイトニッポン』にある。
それまで「僕さあ、ボクサーなんだよ」の定番ギャグしかなかったガッツが、一挙に
(ハガキ職人の創作を含め)持ちネタを増やしたのである。
〇太陽はどっちから昇る? そう聞かれたガッツは『右から』と答えた
〇入国審査で性別を記入するはずの欄に『週2回』と書いた
〇サインを求められ、ガッツ右(みぎ)松と書いた
〇自分の飼っている犬に『ネコ』という名前をつけた
どれだけネタにされようと本気で怒ることなく、すべて「OK牧場!」と
受け流すため、ガッツの伝説は増えるいっぽうだ。ちなみに、いまや常用語となった
「ガッツポーズ」は、彼がWBC世界ライト級王者に輝いたさい、こぶしを頭上に
かざしたところから命名されている。
そしてもうひとつ、ガッツの真の伝説と言えば、「池袋でのヤクザ8人KO」の
エピソードだろう。実弟がからまれているのを助けに入り、ひとりずつ路地裏に
誘い出してはボコボコにしたという”武勇伝”である。
この一件はのちに正当防衛が認められたが、一時は新聞紙上をおおいに
にぎわせた。警察の記録に残った部分で言えば、ひとりが大勢と戦って勝利を収めた
ケースとして、これが「ケンカの日本記録」ということになるらしい。
これこそ、ホンモノの伝説と言えはしまいか・・・?
備考、この内容は、2010年6月1日発行、夢の設計社
「いま一番新しくて恐ろしい都市伝説 信じたくない恐怖」より紹介しました。