いまでいう「放送事故」の元祖のようなエピソードである。その”事件”は、
1969年、日本テレビでオンエアされていた『ロンパールーム』という
子供向け番組で起こった。
番組メインの「お姉さん」であるうつみみどりは、集まった園児たちを相手に、
こんな問題を出した。
「みなさ~ん『き』で始まるものは?」
この問題にひとりのワンパク坊やが
大声をあげる。
「キン〇マ」
困ってしまったケロンパ(うつみみどりの愛称)
だが、あわてず騒がずサラリと
切り返した。
「そうじゃなくって・・・もっときれいな
ものがあるでしょ?」
園児はニコニコとこう答える。
「きれいなキン〇マ」
ここで番組はCMに入った。
ところが、番組再開後、当の園児が座っていたイスには、
代わりに熊のヌイグルミが
置かれていたと言う。生放送ではなかった
はずだが、どうして・・・?
この疑問に対して、うつみは、
最近のバラエティ番組で「事実だった」というニュアンスの発言をしている。
ビデオリサーチもない時代なので、ここはうつみの言葉を信じたいところだが・・・。
ちなみに何年か前、フジテレビの『笑っていいとも!』で、観客席の男がタモリに
しつこくカラんだことがある。
「タモリさん、いいともが終わるって本当ですか?」
苦笑いするしかないタモリだったが、CM明けに異変が起こった。男の座って
いた席に熊のヌイグルミが置かれ、それをアップで映し出したのである。伝説の
「キン〇マ事件」を再現するスタッフの遊び心だった・・・。?
備考、この内容は、2010年6月1日発行、夢の設計社
「いま一番新しくて恐ろしい都市伝説 信じたくない恐怖」より紹介しました。