種類もぐっと増え、今やわたしたちの生活と切っても切れない缶入り飲料。アルミ缶と、
鉄でできたスチール缶の2種類がある。それぞれ表示がされているが、見分けるのも
簡単で、飲んで空っぽにしたあと、片手でくしゃっとつぶせるのがアルミ缶、堅くて丈夫なのが
スチール缶。また、磁石につくのがスチール缶で、つかないのがアルミ缶。
ところで、このアルミ缶が使われているのは、コーラやサイダーなどの炭酸飲料や
ビールだけで、ジュースやコーヒーにはすべてスチール缶が使われている。
どうしてこんな区別があるのかと言うと、薄くて柔らかいアルミ缶は、中の圧力に
よって支えられなくては、缶としての役目を果たさないため。炭酸飲料の缶を振ってから
開けると中の物が噴き出すのは、缶の中が高い圧力になっているからで、あの圧力が内側から
アルミ缶を支えているのだ。アルミ缶にジュースを入れたら、ちょっとの力ですぐに
つぶれてしまうので、メーカーとしてはコストの高いスチール缶を使用せざるをえない。
自動販売機がこれほど普及しているのは、世界中でも日本だけ。アルミにしろ、
スチールにしろ、飲み終えた缶を、その辺にポイと捨てたりするのだけはやめたい・・・。
備考:この内容は、1997年5月10日発行 コスモ出版 「通勤電車を楽しむ本」より紹介しました。