「両親」へ
雨の音って、違うんだね。
こっちのは、少し悲しげなんだ。
梅雨明けこそ、帰るよ。
北海道・31歳・会社員
山下喜隆
部屋を見たとき、
東京で一人で頑張っているお父さんの寂しさが、
分かりました。
北海道・25歳・会社員
野村かよ
反抗期、学生運動、11回の転職、離婚、脱サラ、
苦労をかけますお袋さん。
北海道・50歳・飲食店自営
馬や株が、父さんを助けてくれたかい?
本当に力になれるのは、娘の私だよ。
北海道・41歳
中村秀子
ばあちゃんなんて呼ばせないと、言っておいて、
ばあちゃんですよと あやす姿、幸せよ。
北海道・30歳・主婦
金子直子
「子供たち」へ
パパとママの老後は みなくていいから
最後の3日間だけは よろしくたのむね。
北海道・30歳・主婦
進藤ひろみ
「息子」へ
このごろ、大阪弁上手くなりましたね。
でも、電話の時だけは、津軽弁にしてね。
青森県・59歳
田辺まさ子
帰ってこいよ。
理解のある親を演じられそうにない、
母さんが弱ってきた。
青森県・57歳
杉本信幸
愛しのダンナ様、
来世で絶対に一緒にならない分、尽くします。
宮城県・44歳
菊田直子
「娘」へ
おまえの「話があるの。」は、
はしっくらのヨーイドンと同じ。
ドキドキするよ。
宮城県・46歳・パート
平沢千枝
「たまには 帰ってきなさい。」
お母さんの、その声が小さかったから、
明日、帰ります。
宮城県・23歳・主婦
沢田由美
日ようびはね、
あさねぼうしていいよ、おかあさん、
おなかがすいたらおきてきてね。
秋田県・7歳・小学校1年
渡辺佑樹
天国のじいちゃんへ
あなたがいなくなった分だけ、
家の電気明るくしたよ。
秋田県・9歳・小学校3年
高田愛美
「子ども」へ
気の利いたセリフは言えないけれど、
そちらのニュースに、
お父さんの箸が、止まるよ。
山形県・45歳・主婦
城戸口吉子
「母へ、父へ」
真夜中の電話のベルは、
もうあなたの娘ではありません。
どうか、ご安心ください。
福島県・41歳・地方公務員
関根孝子
備考:この内容は、2010年5月20日発行 中央経済社
「日本一短い”家族”への手紙」より紹介しました。