「上田次郎の なぜベストを尽くさないのか」 | Q太郎のブログ

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パクリもあるけど、多岐にわたって、いい情報もあるので、ぜひ読んでね♥
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「上田次郎の なぜベストを尽くさないのか」     上田次郎


(学習研究社・2004年6月・1200円)




 驚くべき(無)内容、人気ドラマの主人公が書いた天才本




 元来バカバカしい本が嫌いではない私だが、この本のバカバカしさは筆舌に尽くしがたいもの


がある。『上田次郎の なぜベストを尽くさないのか』。略して『なぜベス』。



 著者の「日本科学技術大学教授 上田次郎」とは、人気ドラマ「トリック」


(テレビア朝日系)の登場人物、そう、あの上田次郎である。




 彼は自称天才物理学者だ。(物理を信望し、今やその権威となった私には、怖いものなど


何もない。/物理学をもってすれば解明できなぬ現象など存在しないことは現在までのわたしの天才的な


頭脳によって証明済みであり、すでにみなさんが ご存知のとおりである)とカマすような人物で


ある。その彼が、(今回は、ある意味で国民的アイドルとも言える私の、一人の人間としての


プライベートな生き方や、私の人生哲学を書き記した)のが本書。



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 番組を知っている人ならわかるはずだが、人生を学ぶのに上田次郎ほど不適格な人物はいない。


その彼が自らの人生を語ること自体がパロディというかトリックなのだが、ここで浮上するのは


何をもっておもしろがるかというインタレストの問題である。




(例えば、牛肉のステーキを口から体内に取り込んだとしよう。噛み砕かれたその断片は、


生理学上の法則から人体の下方へと流動する。その時、発生するのが図1にも書き記した、”肉が摂取物


となって体外へ排出される。それが図1の”垂直方向に排○される力”となるわけだが・・・


(以下略9(「私が食事中に尽くしたベスト」)




 U○KOの垂れ流しにも比すべき果てしないおしゃべり。ちなみに右にい言う「図1」とはPANTSUを下げ、


BENKIに座して食事をする上田次郎の姿(もちろん絵である)。




 これを持って爆笑できる人のみが本書のよき読者というべきであろう・・・?




 上田次郎の語りという言語的パフォーマンスだけが存在し、しかるに内容が何もない。これは


驚くべき自体である。人はどれほど無意味を求め、無内容を追求しようと思っても、ついつい


虚しくなって内容を求めてしまう動物だからである。しかも並みのバカバカしい本と違い


なぜベス』には、字だけはびっちり詰まっているのだ。






 (私はこれまでに、歴史に残る名著と言われている『どんと来い、超常現象』のパート1から


パート3を世に送り出し、続いてこの『なぜベストを尽くさないのか?』も発表することになる。


ということは、それらの実績が高く評価され、ノーベル物理学賞より先に、ノーベル文学賞を受賞


してしまう可能性があるのではないか・・・?)






 宙に浮く自画自賛芸。上田次郎でも阿部寛でもなく、書いた人(がどこかに存在するはずだ)


こそ尊敬に値する・・・。










備考:この内容は、2005年7月30日発行 朝日新聞社 斎藤美奈子著

「誤読日記」より紹介しました。