欧米人に比べて日本人は童顔だと言われる。海外でお酒を飲んでいた、れっきと
した成人日本人女性が、周囲の人に とがめられるなんてことも、ままある。
アナウンサーの宮川真理さんも、そんな誤解を受けた一人である。
イギリスのロンドンに一人旅をしていた彼女は、とあるデパートで、そのころ
まだ日本では手に入りにくかった、セサミストリートのキャラクターショップを見つけ
た。特にセサミのファンというほどではなかったが、
あまりのかわいさにカバンから顔が はみ出る
ほど大きなぬいぐるみを買ってしまった。
さて、ホテルに戻ろうと地下鉄を探して
いたら、運良く警官が2人歩いて来るのが見える。
さっそく、そばに近づいて質問しようとしたら、警官が
なにやらすごい勢いでまくし立てる。その上
彼女を両側から挟み、腕をつかんで、まるで犯人を
扱うようにせっぱつまった様子なのだ。
しばらく警官と、ちんぷんかんぷんのやり取りを
続けて、やっと真相がわかった。
童顔の彼女がぬいぐるみを覗かせた大きな
カバンを持ってうろうろしているものだから、彼らは
てっきり家出人と勘違いしたらしい。英語で、
「家はどこだ?」「どこに行くんだ?」「年はいくつだ?」
なんていうことを、機関銃のようにまくし立てていた
というのだ。
童顔の人は外国での行動に、十分注意をしたほうがいいかもしれない・・・。
備考:この内容は、1994年1月5日発行 KAWADE夢文庫 ユーモア人間倶楽部:編
「世にも恥ずかしい人々Ⅱ」より紹介しました。
